
当時僕は「くまもとフィルムコミッション」に登録していたので、エキストラやスタッフとして3本ほど参加したが、エンドクレジットに名前を載せてもらったのは山崎監督の「BALLAD」だけ。そういう意味でも忘れられない映画となった。阿蘇を中心とした熊本ロケは2週間ほど続いたが、僕の仕事は毎日のエキストラの員数を確保すること。他のスタッフとともに、あらかじめ登録されているエキストラ希望者に電話をかけまくった。阿蘇では合戦シーンが撮影されたのでエキストラの集まりが悪い日は撮影も苦労されただろう。「三丁目の夕日」シリーズなどで知られる山崎監督だが、この作品では得意のVFXは極力控えておられたのが印象に残る。結局、山崎監督を拝見したのはスタッフ&エキストラ向け謝恩試写会の時だけだったが、上映後には山崎監督のトークショーも行なわれ、製作意図などを直接聞けたのは嬉しかった。
今回の受賞をステップにVFXにこだわらず映画史に残るような大作を作ってほしいと願っている。
※上の写真は「BALLAD 名もなき恋のうた」のシナリオ