ほしをもったひめ/セルビアのむかしばなし/八百板 洋子・文 小沢 さかえ・絵/福音館書店/2014年初版
話はシンプルで 深い森に囲まれたお城の年老いた王様が、18歳になった美しいカリーナ姫に婿をむかえるため、姫のどこに星があるかを言い当てた者に、国の半分と姫を譲るとお触れを出します。しかし、あてられなかった者は、羊に変えられてしまいます。
おおぜいの若者がやってきますが、あっという間に羊になり、城や草地は羊でいっぱいになってしまいます。
やがて貧しい羊飼いがやってきて、姫のどこに星があるかを言い当てることになります。
この羊飼いがとった方法が幻想的です。朝の太陽の光と、夜の月のひかり、湖に映った星屑、草のしずくで姫の衣装をつくり、姫がその衣装に着替えると・・・・。
ここには、お妃も家来もでてきません。最小限の登場人物だけ。こんな衣装をつくれるのはお話の世界だけ。
絵をよくみると、森のお城を長ーいするどい爪の悪魔?が見下ろしていたり、ネコがお姫さまのいる部屋のベールをつかんでいたりして、こんなところは語りでは表現できないところです。