どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

人参と牛蒡と大根 藤田浩子ひろ子さん版、越後版

2015年02月25日 | 昔話(日本)

      人参と大根と牛蒡/かたれ やまんばー藤田浩子の語りー第一集/藤田浩子の語りを聞く会/1996年初版
      大根とごぼうとにんじん/日本の民話11 越後・佐渡編/水沢健一 浜口一夫・編/未来社/1977年第14刷


 昔話としてのっていた本があったのですが、あまり印象に残りませんでした。

 藤田さんの語りで面白いと思ったのですが、いくつかの絵本や紙芝居がでていて、中身もそれぞれのようです。
 人参、大根、牛蒡がタイトルにでてくる並びもそれぞれ、風呂のはいりかたの順番もそれぞれ違います。

 藤田さんのお話では、人参、大根、牛蒡の順。

 大根がお風呂にはいって体を洗うところ
    手えもごしごし
    足いもごしごし
    手ぬぐい のばして
    背中も ごしごし
 人参がお風呂にはいるところ
    足の先からそろっと入れて
    それから膝まで
    それから腰まで
    へそまできたら一休み

 リズミカルで、楽しい。
 
 こんなテキストだと語ってみても楽しいかなと感じさせてくれます。

 この話、やや様子がちがっているのが、越後版の「大根とごぼうとにんじん」。

 この三つはどれも真っ白い色をしていたが、ある日、山に遊びにいって、すっかり疲れ、山をおりられなくなります。

 そこに通りかかった百姓に山からおろしてくれるよう頼むが、百姓は大根だけを背負っておろし、にんじん、ごぼうは取り残されてしまう。

 取り残されたにんじんは、怒って顔が真っ赤に。ごぼうは怒ってあおむけにひっくり返っていると、お天道様に焼けて真っ黒になってしまう。

 越後版を頭におくと、ちがう話もできそうである。