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春よこいこいホーホケキョ/作:宮川 ひろ 絵:渡辺 有一/ポプラ社/2004年初版
山の村のちいさな小学校。
七人の一年生が、かわるがわる風邪をひいて、ようやく顔をそろえます。
今日は節分、1年生だけに、うれしいことのある日です。
山の村では、ずっと昔から豆に家族の顔をかいて、節分の日に「かぜかみさま」をおくって、春をむかえてきました。
みんなは、自分や弟、おじいちゃん、犬のタロー、ハムスターなど顔を豆にかきます。
そして、籠にいれて、お地蔵さまの前に送ります。
それから鬼の面をかぶって、「鬼の宿」にでかけます。
けん一お爺さんの鬼の宿で、餅つきし餅をほおばり、豆腐田楽を夢中になってたべ、帰りにはポップコーンにするトウモロコシをもらいます。
みんなは、フライパンで、ポップコーンを作ります。
そして、先生がもってきた梅の枝に、ポップコーンをボンドでつけて、花を咲かせていきます。
「鬼の宿」は、村の家が毎年交代でつとめますが、呼んでもらえるのは一年生だけ。
小学校では、立春には村のおじいさんやおばあさんをお招きして給食を食べます。
すこし時期がすぎましたが、節分の村の素敵な行事です。
宮川さんの作品は、どれも子どもと先生の距離が近くて、理想的な教育のありかたを考えさせてくれるものばかりです。語るのはむずかしそうですが、一度、読み聞かせしたいものです。