大人と子どものための世界のむかし話11ビルマのむかし話/大野徹・編訳/偕成社/1991年初版
4月の今、チューリップやヒヤシンスがおわり、アジサイが緑の装いをして、フジが淡く咲いています。フジは花の時期が短く、鑑賞の時期はあっという間です。
5年前、当地にきて植えたフジ、3年前はわずかでしたが、今年は何倍にもなりました。
焼き畑農業で畑を耕して暮らしていたアーセーが、豆畑をあらしている野ネズミを助けたことからはじまります。
アーセーは野ネズミを何度も助けますが、5度目にはさすがにはらをたて、檻に入れます。
野ネズミは、白いネズミを何百も殺した人間が、呪いのことばでネズミにされてしまったのでした。
命を助けられたネズミは、豆やたねのからをかじって、お役にたちたいと、せっせとアーセーの仕事を手伝うようになります。
ある日、アーセーがネズミが皮をむいてくれた豆を食べると、その豆がとてもおいしいので、ついついたくさん食べると、おならをしたくなります。
プーッとおならをすると、とてもいいにおい。野ネズミは「わたしがかじって皮をむくときに、つばがつくからですよ」といいます。
やがてアーセーの体からは、いつも香水をかけたようなあまり香りがただようようになり、このうわさをきいた王さまの宮殿にいって、おならをすると宮殿中が甘い香りにつつまれ、アーセーはたくさんの褒美をもらいます。
これを聞いた別の男が、毎日毎日豆を食べて、アーセーよりももっと良い香りのおならがでるという噂をながし、王さまの宮殿にいきますが・・・。
花咲爺さんは、枯れ木に花を咲かせますが、この話では、おならであまい香り。臭くないおならもありますが、おならのイメージを払拭するようなお話。
二人の農夫がでてくると、一方が貧乏で、一方が金持ちといった対比が普通ですが、とくにそうしたことにはふれられていません。