続月あかりのおはなし集/アリソン・アトリー・作 こだまともこ・訳 いたやさとし・絵/小学館/2008年初版
ハンカチの上に花畑があったり、誰のものでもない影があったり、メルヘンの舞台もさまざまですが、虹をつるというのも斬新です。
先日台風のあいまに、ひさしぶりに虹がかかっていました。
トムが小川で魚をつかまえようとしたら、つれたのは驚いたことに、虹でした。(もっとも本人は驚いてはいないのですが)。
釣れるぐらいですからそれほどおおきなものではなかったのですが、家の庭にもっていくと虹はどんどん大きくなり、ライラックとシラカバのあいだに、美しい虹がかかりました。
ホオジロが虹を通り抜けたり、シジュウカラが虹の上で小さなからだをゆらしたり。
でも、この虹がみえるのはトムと母さん、妹のジマイマちゃんだけでした。
夜には銀色のベールをかけた見たこともないようないろの虹が庭にかかり、弓なりになった一番高いところではナイチンゲールがとまって声をかぎりにうたっているのでした。
次の朝も虹はきえていません。トムは学校にいって、みんなに見せようとしますが・・・。
夢のような光景が浮かんでくる話です。虹の上のナイチンゲールはどんな感じだったのでしょうか。