どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

のうさぎのおはなしえほん あな

2016年09月11日 | 絵本(日本)


   のうさぎのおはなしえほん/片山令子・作 片山健・絵/ピリケン出版/2005年初版


 なにがあったのでしょうか。
 のうさぎさんは朝からなんにもするきがおこらなくてぼんやり。

 きもちがからっぱで、からっぽのカップに例えたり、バケツをかぶってみてもなにかちがいます。

 のうさぎさんは、庭に大きなあなをほり、そのなかにはいると、し-んとして、ひんやりして、土のにおい。
 そうそうこんな感じ。

 親しい人を亡くしたり、人とのすれちがいなど、大人もときにおちいる空虚感。

 どことなく抽象的な世界。

 のうさぎさんのからっぽのきもちのあな。最後は素敵な結末がまっています。

 大型の絵本が多い中で、めずらしくB5判の小型。

 穴から見えるまっさおな空、みなれた雲や空がおどろくほどきれいにみえる穴。
 人間にもこんな穴のような居場所が必要なのかもしれません。