のうさぎのおはなしえほん/片山令子・作 片山健・絵/ピリケン出版/2005年初版
なにがあったのでしょうか。
のうさぎさんは朝からなんにもするきがおこらなくてぼんやり。
きもちがからっぱで、からっぽのカップに例えたり、バケツをかぶってみてもなにかちがいます。
のうさぎさんは、庭に大きなあなをほり、そのなかにはいると、し-んとして、ひんやりして、土のにおい。
そうそうこんな感じ。
親しい人を亡くしたり、人とのすれちがいなど、大人もときにおちいる空虚感。
どことなく抽象的な世界。
のうさぎさんのからっぽのきもちのあな。最後は素敵な結末がまっています。
大型の絵本が多い中で、めずらしくB5判の小型。
穴から見えるまっさおな空、みなれた雲や空がおどろくほどきれいにみえる穴。
人間にもこんな穴のような居場所が必要なのかもしれません。