子どもに贈る昔ばなし14/再話・昔ばなし大学再話研究会 小澤俊夫・編・監修/小澤昔ばなし研究所
貸し便所という商売を考えた持念さん。
8月の八幡さまのお祭りに人が集まることを見越して、小屋を建て、一回三文の立札。
ところがそれをみた町の人が、もっとりっぱな便所をつくったので、人は立派な便所の方へいって、持念さんの便所はだれもきません。
持念さん、三文の銭をもってどこかにいなくなります。
すると、いつのまにか持念さんの便所はのとのとのとと人がやってくるようになります。
持念さんの女房がいそがしく銭とりをしていると、持念さんがぱっかりぱっかり帰ってきます。
なんと持念さんが、立派な便所にずっと入っていたので、人の流れがかわったのでした。
”のとのとのと”とか”ぱっかりぱっかり”は山形弁なのでしょうか。
落語のような話です。