どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

妹のきもと茶の木

2016年09月28日 | 昔話(日本)

      子どもに贈る昔ばなし1/再話・沖縄昔ばなし大学再話コース 小澤俊夫・編・監修/小澤昔ばなし研究所


 沖縄昔ばなし大学再話コースといいますから、沖縄の話がベースになっているようですが、舞台は唐です。

 唐の王さまが病気になり、金持ちの医者があつまってきても、みとおしをたてることもできず、直せる見込みもありません。

 貧乏な医者はあいてにされませんでしたが、家臣のすすめで、王さまの脈をとってみると、人のきもを飲ませないとわかります。

 貧乏な医者が、どうしようと頭をかかえて横になっていると、妹がそのようすをみて、医者にたずねます。
 医者がこれまでのいきさつを話すと、妹は医者の留守のとき、「自分のきもをとって、王さまの病気をなおすように」と書置きをのこして、みずから命をたってしまいます。

 医者は妹のきもから薬をつくって、王さまの病気を直しますが・・・。

 王さまが事情をしって、妹を城内に手厚くほうむると、ほうむったところから木がはえてきます。
 お茶の葉のようだと家臣が葉をつんで、乾燥させてからもみ、茶碗にいれて王さまにさしあげると「これはこれは。これほどのお茶はめったにないだろう」とほめます。

 ここから最初にお茶を飲むときは、茶碗をささげて飲むようになったという。

 兄思いの妹といえば、とおりがいいのですが、なぜそこまでしたのかは一切でてきません。
 でてくるのは兄と妹だけ。親もでてきません。

 舞台が唐になっているのは、人のきもをつかうというのでクッションをおいたのでしょうか。