子どもに贈る昔ばなし1/再話・沖縄昔ばなし大学再話コース 小澤俊夫・編・監修/小澤昔ばなし研究所
沖縄昔ばなし大学再話コースといいますから、沖縄の話がベースになっているようですが、舞台は唐です。
唐の王さまが病気になり、金持ちの医者があつまってきても、みとおしをたてることもできず、直せる見込みもありません。
貧乏な医者はあいてにされませんでしたが、家臣のすすめで、王さまの脈をとってみると、人のきもを飲ませないとわかります。
貧乏な医者が、どうしようと頭をかかえて横になっていると、妹がそのようすをみて、医者にたずねます。
医者がこれまでのいきさつを話すと、妹は医者の留守のとき、「自分のきもをとって、王さまの病気をなおすように」と書置きをのこして、みずから命をたってしまいます。
医者は妹のきもから薬をつくって、王さまの病気を直しますが・・・。
王さまが事情をしって、妹を城内に手厚くほうむると、ほうむったところから木がはえてきます。
お茶の葉のようだと家臣が葉をつんで、乾燥させてからもみ、茶碗にいれて王さまにさしあげると「これはこれは。これほどのお茶はめったにないだろう」とほめます。
ここから最初にお茶を飲むときは、茶碗をささげて飲むようになったという。
兄思いの妹といえば、とおりがいいのですが、なぜそこまでしたのかは一切でてきません。
でてくるのは兄と妹だけ。親もでてきません。
舞台が唐になっているのは、人のきもをつかうというのでクッションをおいたのでしょうか。