子どもに贈る昔ばなし14/再話・昔ばなし大学再話研究会 小澤俊夫・編・監修/小澤昔ばなし研究所
副題に、幼い子のための昔ばなしとあります。
したがって、それほど長い話ではないのですが、最後のオチがきいています。
かえるとへびとむかでがお寺参りをして、話をしているうちに、寄り合いをしようということになりました。ごはんだけではさびしいので、お酒を一杯ということになって誰かが酒屋にいって酒をかってくることになりました。
かえるは「わしは、ひとあしひとあしとびあがらないと帰ってこられない。ぴょんぴょんはねているうちに、酒瓶をおとして割るかもしれない。せっかく買ってきた酒をこぼしてしまうかもしれないので、行けない」とことわります。
へびは「わしはまっすぐな道でもあっちこっちに曲がり、こっちに曲がりまっすぐ行くことができない。にょろにょろしないといけないから、時間が倍かかる。日が暮れてしまって、寄り合いどころではなくなるから、かんべんしてくれ」とことわります。
そこで、こんどはむかでのばんなのですが、かえるとへびがいくらまっても、むかでは帰ってきません。
だいぶたってから、「どっこいしょ」という声がしたので、かえるとへびは玄関にでてみます。
ところが、一升瓶はからっぽです。
なぜかというと・・・・。
むかでは、百本の足にぞうりをはくのに、時間をとられ、これからでかけるところだったのです。
むかでが、ぞうりをはくかどうかは問題ではありません。このあたりが昔ばなしでしょうか。