どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

まほうのかさ

2018年10月23日 | 絵本(日本)


    まほうのかさ/小沢正・文 はた こうしろう・絵/教育画劇/2015年


 運動がにがてで、学校の体育時間になると憂鬱になる一年生の いちろうくん。

 なぜ、わざわざ、鉄棒に ぶらさがったり、跳び箱をとんだりしなければ ならないの?。

 ある夜、いちろうの夢のなかに、マントのようなものを きて ほしのかざりのついた つえをもち、金色のとんがり帽子をかぶった子がでてきて、「わたし、まじょの女の子なの。なにか。わたしに してもらいたいことはない? ひとつだけなら きいてあげるよ」と、聞きます。

 いちろうは、ちょっとかんがえてから 答えます。
 体育館が修理中で、雨が降ったら体育の時間が変更になるので 「あした、雨がふると いいんだけどなあ」

 女の子は「へんなの、たいいくが きらいだなんて」といいますが、どこからか 傘をひとつ、ひょいっと とりだして いちろうにわたします。

 その赤い傘は、広げると雨がふりはじめて、閉じると、すぐに雨がやむ、まほうの傘でした。

 「うちのおかあさん、えらい まじょなんだもの」という女の子に感心したひょうしに、ぱっと 目がさめました。

 体育がある日、おきてみると 青い空が ひろがる、いい お天気。

 残念な きもちのまま 学校に出かけようとすると、玄関の傘立てに、夢の中で見た赤い傘が入っているのに気がつきます。

 半信半疑でかさを ひろげて しばらくすると雨がおちはじめます。

 体育の時間は3時間目。雨は傘をひろげないとふりません。いちろうくんは物置小屋に、ひろげた傘をおいてでかけます。

 すると、バケツをひっくりかえしたような土砂降りになり、川があふれ、家も学校も のこらず流されてしまうかもしれないと、心配になった いちろうの 目の前にあの赤い傘が。

 まじょの女の子が赤い傘をつかまえようとすると、あお、きいろ、しろ、まっくろな かぞえきれないほどの傘が 校門の隙間から、校舎の屋根から 校庭に押し寄せ、女の子に襲い掛かろうとします。

 女の子が、なんとか傘をつかまえて、ぱちんと とじると・・・。

 いちろうくん、イス二つを重ねた上で、片足だちですから、本当は運動神経が抜群なのかも。

 子どもの表情がいきいきしていて、まじょの女の子もかわいいですよ。

 いちろうくんの思いがよくでています。

 やや文字が多すぎるので、とっつきにくいかも。