スーポーおじさんの世界ふしぎ物語2/なだいなだ・訳/筑摩書房/1983年
「わらしべ長者」は、藁からはじまって大金持ちになりますが、外国のものはスケールが大きくて針一本からはじまって、王さまにまでなってしまいます。
八人の息子の一番年下のサロが、14歳のとき、針を一本見つけ、ニワトリととりかえます。村長のおかみさんが針をなくして困っていたからでした。
ニワトリは家族のおなかの中へ。
どこかの王さまが軍隊をひきいてやってくるというので、サロはモモだけをもって馬一頭とモモを交換するものはいないかと叫びます。ひとりの騎兵がモモを食べますが、馬はやれないといいます。王さまに直訴すると王さまは騎兵に馬をサロにやるよういいつけます。
サロは、次に馬を七匹のネコにとりかえます。
さらに、サロはネコをネズミの被害に苦しんでいる国にもっていって一匹七人のわりで、計49人のドレイととりかえます。
ドレイのおかげで楽な暮らしをしていたのですが、こんどは死人ととりかえてくるといいだしたサロ。
ちょうど、王さまが死んだ町にいくと、死んだ者には何の価値もないと、ドレイと王さまの死体ととりかえることに同意した王さまの息子たち。
ところが、サロが王さまの死体を辱めると、王さまの息子たちは父親をたたくのをやめさせようとします。
「この死人はぼくのだ。ぼくのすきなようにしてどこがわるい」と、サロはもっと力を入れてたたきます。息子たちは交換は取り消しだといいますが、サロはうけつけません。
判事の裁定もサロの言い分をみとめます。しかし、49人のドレイひとりにつき七人のドレイとなら王さまの死骸を売り戻すことにしたサロは、343人のドレイを手にいれます。
とりかえはここまでですが、大蛇が牡牛を七頭くれたら金貨のある場所をおしえてくれるというので、そのとおりにすると金貨がたくさん詰まった大きな壺が見つかります。
この金貨を村中の人にわけ、みなを集めて王さまの都をせめおとり、国の王の位についてしまいます。
とりかえには、それなりの理由が欠かせませんが、ドレイがでてきたり、死体がでてくるなどは国による違いかもしれません。
大蛇がきゅうにでてくるのも昔話らしさです。