どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

野間国際絵本原画コンクール

2018年10月01日 | いろいろ
 絵本の作者紹介に、 野間国際絵本原画コンクール賞を受賞したとあるのがありました。

 これまであまり賞には関心がなかったのですが、賞が作家の創作意欲をふくらませてくれるなら、大きな意味がありそうです。

 この 野間国際絵本原画コンクールは、「1978年から2008年まで財団法人ユネスコ・アジア文化センターが野間国際図書開発基金によって運営し、アジア太平洋(日本を除く)、中南米、アフリカ、アラブ地域の作品発表の機会に恵まれないイラストレーターや画家を対象に開催しました。」とありました。

 残念なことは2008年で終了したということ。資金の問題でしょうが、日本では当たり前に見られる絵本ですが、国によってはあまり絵本に触れる機会が少ない子どもも多いのではないでしょうか。

 趣旨には大賛成ですが、個人に頼ることなく、文化の面から国際貢献する方法があってもいいのではないか、考えさせられました。

 国会図書館国際こども図書館のホームページをみると、児童文学には、国内国外に結構いろいろな賞がありました。対象が自国民や居住者に限定されているのも目立ち、少し残念なところも。

まじょのおとしもの

2018年10月01日 | 絵本(日本)


    まじょのおとしもの/油野 誠一:作・絵/福音館書店/2008年(初出1997年)


 ある朝、ヒロミちゃんが一本の箒を道で見つけます。

 きたない箒ですが、魔女の箒みたいと思ったヒロミちゃんが「ふじさんの てっぺんに とんでゆけ」と声をかけてみると、富士山へ。ほんとうに飛べました。

 それからヒロミちゃんが毎日、大喜びで街の上をとびまわっていると、うわさは街中に広がります。

 からすてんぐをあっというまにおきざりにし、ペルシャから東京見物にやってきた空飛ぶジュータンにのった男の子と宙返りや低空のランデブー飛行。

 でも、最後は魔女軍団(といっても六人)があらわれ、箒を取り上げられてしまい、空から一直線に地面に。竹やぶの上で、さいわいにも怪我なしです。
 魔女も箒がないと、魔女らしくありませんから、探すのに必死だったのでしょう。

 ヒロミちゃん、それからもめげずに、あちこちさがしますが、あんないい落し物はみつからなかったようですよ。

 子どもの夢をかきたててくれる楽しい話です。箒が道に落ちていないか探したくなります。

 絵は、お世辞にもうまいとはいえない絵ですが、これがどうしてどうして味のある絵。子どもも親近感を感じられそうです。
 空からの鳥観図にもなるほどとうなずけます。