どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

ハイエナとカラス・・ケニア

2021年03月11日 | 昔話(アフリカ)

         アフリカの民話集/しあわせのなる木/島岡由美子・文/未来社/2017年

 

 ある日、カラスは飛んでいる自分に、ハイエナが挨拶してくれたのがうれしくて、わざわざ地上におりてきました。

 ところが、ハイエナは三日も我慢していたクソを、どっばっとカラスにぶっかけたのです。目も鼻も耳もぜんぶクソまみれになって、死ぬほどのくるしみ。それでも雨季の雨のせいで、ハイエナは、やっと元気を取り戻しました。

 ずいぶんとたった日、ハイエナの頭に動物の骨がこつんとあたりました。ハイエナにとっては骨だってごちそうです。そんなことが三日も続きました。上を見るとカラスが飛んでいました。骨はどこでみつけたのと、ハイエナがたずねると、カラスは、白い雲を見ながら、あそこにいけばいくらだってごちそうがあるんだよと こたえました。

 カラスは、白い雲にいきたいというハイエナを、おっぽにつかませて飛びはじめます。

 カラスは、どうせなら家族もつれていってあげるとさそい、ハイエナのおくさん、子どもも、カラスのしっぽにつかまり、空を飛んでいきました。でも、若いころワニに足を食われて、後ろ足が短くなってしまったおじいちゃんハイエナは、もう年だからと、みんなを見送りました。

 空を飛んでいたハイエナの家族は、白い大きな雲のそばまできたときに、カラスのしっぽがぷちんときれて、地上に落っこち、みんなみんな死んでしまいました。

 家で留守番していたおじいちゃんハイエナは、しかたがないので、また一から家族をつくりなおして死にました。

 

 カラスの仕返しは、あらかじめ計画されていたのでしょう。また、おじいちゃんは、ちゃんと先を見ていたのかも。