ふたりはいつも/アーノルド・ノーベル・作 三木卓・訳/文化出版局/1977年
この「ふたりはいつも」には、「そりすべり」「そこの かどまで」「アイスクリーム」「おちば」と「クリスマス・イブ」の がまくんとかえるくんの季節感あふれるエピソードが五編。
クリスマス・イブの晩、がまくんは、もみの木を飾り、ごちそうもつくって かえるくんの到着をまっていました。時計をながめますが、時計はこわれていました。
玄関のドアを開けて暗闇をのぞきますが、かえるくんはいませんでした。
「穴におっこってでてこられないかも」
「もし森で迷っていたら」
「するどい歯の いっぱいはえた おおきな けものに おっかけられてたら」
がまくんの心配の種はつきません。地下室で縄を見つけ、穴からひきあげる用意をし、けものたいじには フライパンで ぶんなぐろうと、うちから はしりだしました。
すると かえるくんが いたのです。かえるくんは プレゼントを つつむのに 時間がかかっていたのです。
がまくんが かえるくんの プレゼントをあけてみると・・・。
友だち思いのがまくんが、あれこれ妄想するところに、やさしい気持ちがあふれています。あったかい暖炉のそばで過ごすクリスマス・イブは、素敵なものになりました。
相手のことを思いやる気持ちがあれば、動物だって人間だって うまくまわっていけるのです。
それぞれの季節に読み聞かせするのもよさそうです。