三重のむかし話/三重県小学校国語教育研究会編/日本標準/1977年
若い漁師が、網にかかった海ガメを、「この海ガメはわしらに何も悪いことをしとらんやないか」とほかのものを説得し、海へもどすことに。
しばられていた縄をほどいてもらった海ガメは、助けられたお礼を申し出ます。目が見えない若者の母親の目を治すという。
背中に母親をのせ、みえなくなったカメをまっていると、月が浜を明るくてらすころ、母親をのせた海ガメが浜にあがってきます。そして、海ガメからおりた母親が、おおきく目をあけて 走ってきます。
若者もほかの漁師もおおよろこびし、海亀に酒を飲ませて海へもどしてやります。
竜宮がでてくるかと思っていると、ずいぶんシンプルで短い話です。
この浜では、海ガメをみつけると、みんなが背中をなぜながら、酒をのませてから、海にもどすようになったという。