お静かに、父が昼寝をしております/母袋夏生:編・訳/岩波少年文庫/2015年
「むかし、ブルガリアのある村に、貧しい農夫がいた」とはじまり、ブルガリアの昔話であることがわかりますが、ブルガリアにすむユダヤ人に口承されてきた話です。
ある国の昔話といっても、さまざまな民族で構成されている国では、ルーツは民族の間で語りつがれてきた昔話であることもおおそうです。
ほんとうに貧しい農夫が、神さまにおねがいして手に入れたのが財布。
天の声は、「財布には金貨が一枚、入っている。おまえがその金貨をとりだすと、また金貨が財布の中にわいてくる。だが金貨をつかいたかったら、まず財布を川に捨てなければいけない。もし、捨てる前に金貨を使ったら、財布は魚に、金貨はうろこにかわってしまう」と告げます。
農夫はうれしくて、夜通し、次の日は一日中財布から金貨をとりだしつづけます。
家に食べるものがなくなっても、農夫は金貨に手をつけようとしません。物乞いをしながらあと一袋、あと一袋と金貨を取り出し続けます。
結末は? 結局農夫は金貨を一枚も使うことなく、あの世に旅立つことになりますが・・。
金貨は十分にあったはずなのに、財布とわかれることがつらいとは。あああ!。人間の欲望にはきりがなさそうです。
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