どんぴんからりん

昔話、絵本、創作は主に短編の内容を紹介しています。やればやるほど森に迷い込む感じです。(2012.10から)

三つ子と人食い女・・トーゴ

2018年02月23日 | 昔話(アフリカ)

    アフリカ<トーゴ>の昔ばなし きのどくなハイエナ/江口一久・採話 田主誠・絵/小峰書店/1984年


 重訳の場合は少しづつニュアンスがかわってきそうですが、フルフルデ語から直接訳されたもので、その意味では現地の雰囲気が損なわれていないかもしれません。

 毎回、国がちがっても同じような話があるのが不思議ですが、「マメ子と魔物」を思わせます。

 三つ子の子が、畑にいって、畑のそばの小屋で休んでいると、となりの小屋にすむ女がごはんをはこんできます。

 二人はおなかがふくれると寝ってしまいますが、ちびは寝りませんでした。

 女がなぜごはんを運んできたかの理由がわからずにいると、じつは人食い女で、三人の兄弟をいただこうとしていたのです。

 ちびは、相手の正体をしっていたのか、まだ寝らないのかと聞かれ、木を一本くれたら寝られるんだけれどといいます。
 女が木をもってくると、今度は寝る前に、いつもお母さんがタマゴをもってきてくれるといって、タマゴをてにいれます。

 ちびは、まだ寝っていないのかと聞かれ、石がないと寝れないとこたえ、人食い女から石を手に入れます。

 やがて三人が逃げ出し、これを人食い女が追いかけます。

 ここから先は、よくある逃走談です。

 ちびが木をなげると、林に変わり、石をなげると岩山、タマゴをなげると大きな川があらわれます。

 人食い女が川の水を飲み始めると、飲みすぎておなが破裂してしまいます。

 タマゴをなげると川になるというのは、なぜと聞かれてもよ くわかりません。

 楽しいのは、人食い女が三人に追いついた場面。

 「朝まだ暗いうちに逃げたあんたたちと、朝になってから追っかけたわしとが、もう出会ってしまったというわけさ」
 三回の繰り返しが効果的です。


この記事についてブログを書く
« ねんどの神さま | トップ | それでも たまごは われません »
最新の画像もっと見る

昔話(アフリカ)」カテゴリの最新記事