りんご 津軽りんご園の1年間/叶内拓哉:写真・文/福音館書店/2006年初版
りんごの絵本は、絵本ナビで調べると150件弱。びっくりするほど多い。
この絵本は写真絵本で、りんご園の3月から冬の2月まで。
雪に覆われたリンゴの木、花の満開の様子、収穫までの日々の作業、そしてたわわに実るリンゴ、収穫後の雪におおわれたりんご園まで、写真ならではの臨場感があります。
家で、一本だけリンゴの木を植えて、昨年から実をつけ、今年は10個ほど。
残念ながら台風24号で大分落下し、あとは世話をしなかったこともあって、食べられるリンゴはぜろ。
食べるのを目的にしていないので、がっかりはしないのですが、やはりちゃんと手塩にかけないとうまくいきません。
実ができるだけで楽しみだったのですが、花を摘みとったり、受粉、袋かけ、球まわしなど、今後の参考になるものが、いろいろとありました。
セミが果汁を吸うというのもはじめてしりました。
いろいろ手間ひまかけても、台風が直撃すると、それまでの苦労も水の泡。リンゴがわたしたちに届くまでの苦労を思い、ありがたくいただくことにします。
こおろぎ/小林 勇:文・絵/福音館書店/2013年(初出1972年)
科学絵本は、手軽に読めて気づかされることが多い。
子どもの方が詳しそうですが、えんまこおろぎ、つづれさせころぎ、おかめこおろぎ、みつかどここおろぎ。
なんと、えんまこおろぎの耳は前足にあります。
なくしかけは、めすにはなく、なくのは おすだけ。求愛行動のためです。
ともぐいもあります。
めすの おしりからは 長い けんのようなものがでていて、ここから卵をうみます。
卵の実物大がえがかれていますが、ちょっときがつかない大きさ。
畑を耕していると、名前がわからない幼虫にたびたび でくわしますが こおろぎの卵は小さくて見つけにくいようです。
銀のかんざし/世界むかし話 中国/なたぎりすすむ・訳/ほるぷ出版/1979年
鼻が長くなるといえば、日本の昔話だと長者の娘の鼻を長くする、ヨーロッパだとお姫さまの鼻を長くして、それを治す見返りに、大金などを手にします。
この中国の話は、二人兄弟の弟が長くなった鼻を元に戻そうとして、欲をだし、鼻が顔の中にへこんでしまうというもの。
兄弟がでてくると、弟の方をがメインとして物語が進行するのが多いのですが、この物語では兄がメイン。
世間にでて、一旗揚げようと出かけた兄弟、弟は兄が路銀にもっていた巾着の袋が重いだろうと、荷物を交換し、しばらくいくと、今度は、具合が悪いから少し休みたい、どこかで熱い湯をもらってきてくれないかと兄に頼みます。
弟の心配をした兄は、道ばたの畑で働いているおばあさんを見つけ、お茶をいっぱいもらって弟のところにもどりました。ところが弟は金をもって、どこかへいってしまいます。
がむしゃらに先を急いだ兄が、あずまやをや見つけ、一晩とまることにします。このあずまやは「遊仙亭」とよばれ、二階が見晴らしになっていました。石に横になって休んでいると、ふと何人かで話すこえがします。
毎年8月15日には、仙人があつまって宴会をするのです。
ひとりは、一度叩けば、いろいろなごちそうがでてくるこんぼうのことを話します。もう一人は、苦泉の苦い水がでるのは、泉のそばのマツの木の下にいる青ヘビを殺せば、真水にかえることができると話し、西の村の橋が12年たってもできあがらないのは、橋の下に金貨の詰まったかめが四つに、銀貨の詰まったかめが四つもあるのが原因だと話し声がしました。
これを聞いた兄は、それぞれのところで解決方法を教えます。
こんぼうを持ち帰った兄は、食べものを出してもらってはくらしはじめます。
苦泉が真水にかわり、西の村の橋がついにできあがったのを聞いた皇帝は、さっそく大臣を兄の家に使わせ、金銀財宝をおくります。人民の苦しみをすくった兄にほうびを与えるというのも、よくできた皇帝です。
ある日、弟が兄の家の前をとおり、自分もと「遊仙亭」にでかけますが、仙人に鼻を一丈二尺もの長さに ひっぱられてしまいます。
大金もちになった兄は、こんぼうをかえし、弟の鼻をなおす方法をおしえてもらおうと「遊仙亭」にでかけます。
仙人は、「こんぼうで12回打って、12回名を呼び、12回「はい」と返事すれば、鼻はしっかりもとどおおりになる」と、話をしていました。
これを聞いた兄がいそいで家に帰り、こんぼうを12回うって、12回弟の名前をよび、弟が12回「はい」とこたえます。ところが、弟は、何を思ったのか、もう一回たたいてくれといいだします。
もう一度叩くと・・・・。
一丈二尺は45cmほど。白髪三千丈のお国にしては、遠慮気味です。
世界むかし話 アフリカ/掛川恭子・訳/ほるぷ出版/1989年
タイトル通り、ヘビから服をかりて、パーテイに出かけ、夫とのよりを取り戻す話です。
なぜかというと、夫が二人目の妻をむかえ、この妻がいじわるのかぎりをつくし、一番目の妻をおいだしてやろうとしたことが原因でした。
一番目の妻は見た目もよく働き者。二番目の妻は、なみはずれて美しい娘でしたが、ずるくて怠け者。
二番目の妻は、夫とやれパーテイだダンスだと出歩いているばかり。おいしい食べ物、きれいな服、宝石、そのほか手に入るものは、なにもかも二番目の妻がもっていってしまいます。
おる日大きなパーテイがあるのに、着ていく服がなかった一番目の妻が、人気のない森の中でであったのは、きらきらひかる小さな目で見つめるヘビでした。わけを話し、ヘビについていくと岩と岩のあいだにある穴の中に、虹の七色を全部集めたような、さまざまな色合いの、きらきらひかる布がありました。
貸すだけで、あとでかえしてくれという条件で、パーテイにでかけた一番目の妻は、いままでだれひとりとしてみたことのないような服を着て、夫とよりをもどします。
ところが、おこった二番目の妻が、美しいドレスを、ずたずたに切り刻んでしまいます。
ヘビに服をかえさないと、どんな仕返しをされるかわからない、村全体がしかえしをうけるかもしれないと思った一番目の妻は、殺されることも覚悟して、ヘビのところにいきます。
でも、このヘビ、なかなかものわりのいいヘビのようでしたよ。
昔話では、主人公の援助者が、おばあさん、おじいさんというのが多いのですが、ここではヘビです。
人々はヘビをたいへんおそれていましたが、ヘビが人間をひどい目にあわせたという証拠は何一つないというところから、話がはじまります。
主人公が、パーテイや舞踏会にでると、まわりの人が誰も知らないのが通例ですが、この話でははじめからだれかというのがわかります。そして、パーテイの場で、二番目の妻の態度に、みんなが一番目の妻を擁護するというのも、これまでの昔話と違います。
そして、ヘビがいかに誤解されているかを示したかったのかも知れません。
じしゃくのふしぎ/フランクリン・M・ブランリー・作 トゥルー・ケリー・絵 かなもりじゅんじろう・訳/福音館書店/2009年
小さいとき、磁石で土の中をかきまわし、鉄粉をあつめたことを思い出しました。
引き合ったり反発し合ったり、磁石で釣ってみて、くっつくものと、くっつかないものを比較したりして磁石の性質を説明していきます。
針を磁石に何回もこすりつけると針自体が磁石になるというのは、一緒に実験したくなりそうです。
飛行機や船で使うコンパス。これは、マグネタイト(磁鉄鉱)とよばれる特別な石が見つかってからとありましたが、時期がいつだったのかがでていないのが残念です。
でも一番興味があるのは、やはり地球が磁石そのものということかな。ただこの仕組みはまだ完全にあきらかになっていないといいます。地球の深部もよくわかっていないなど、この地球にもまだまだ不思議なことだらけ。
学校で、勉強と大上段にふりかぶるより、絵本だと、自然に好奇心をもって理解できることもたくさんあります。
ところで、紀元前600年にはギリシャで、天然の磁鉄鉱が知られているようですし、古代中国では「呂氏春秋」(BC3世紀)、「淮南子」(BC2世紀)などにおいて鉄を引き寄せる「慈石」に関する言及が見られといいます。
日本では、続日本紀に「和銅6年(713年)近江の国より慈石を献ず」との記述がありますから、磁石にいては古くから知られていることもわかりました。
ひなたぼっこいし/すとう あさえ・作 はた こうしろう・絵/福音館書店/2001年
雨の日が続いて、おひさまをもとめて、かなへびちゃん、へびくん、とかげちゃんがなかよくさんぽ。
あったかい石を探して。
大きな木と思ったのは、カメレオン。カメレオンさんがおしえてくれたのは、みんなきづかない石。大きな石でかなへびちゃん、へびくん、とかげちゃんは、なかよく、ひなたぼっこです。
だんごむしたちは、へびちゃん、へびくん、とかげちゃんをすべり台替わりで楽しんでいます。
個人的にはへびも、とかげもどうもにがてですが、イメージをかえてくれるへびととかげ。赤、紫、黄色と色が鮮やかで、可愛い。
何の変哲もない絵本ですが、ほのぼのしてきます。
こわがりのはしごしゃ/作:松野 正子・作 なかの ひろたか・絵/福音館書店/1990年
消防車や救急車は子どものすきな乗り物。
火事を消火し、人の命を救う救急車は、あこがれでもあるかもしれません。
高いビルがふえ、いつもは他の消防署からはしご車の応援にきてもらっていた消防署に、あたらしくやってきたはしご車。
ところが、小型消防車、救急車から、「煙で息が詰まり、とても苦しかった」「あついのなんの」「けがにんが二人も出てね」と聞かされ、はしご車は心配になります。
はじてめの出動のとき、胸がどきどきしてはしれなくなります。デパートの火事のときもそうでした。
ところがある日、病院が火事になって、はしご車もかけつけます。
屋上には絵を描いていた男の子が取り残されていました。消防署へ絵を描きにきていた子でした。
はしご車の足に力が湧き、震えが止まって、はしごをのばしていきます。消防士が男の子をがっちりだいてリフターが、はしごをすべりおります。
そして男の子をのせた救急車が病院へ。
こわがりなはしご車が、男の子を助けるために勇気を出すようすや、消防士や救急車の活躍に拍手をしたくなります。
裏表紙には、男の子の描いた、はしご車の絵があります。 助けられた子が、救急車の中で「かならず、はしご車がたすけにきてくれると おもったから、ちっとも こわくなかった」 「あしがなおったら、はしごしゃのえをもって、あそびにいく」といっていましたから、約束をはたしたのです。
裏表紙の余韻が残る描き方は、絵本ならではです。
日本のふしぎ話/川崎大治民話選/童心社/1971年初版
「長靴をはいたねこ」「三枚のお札」の後半部だけのような話です。
長靴では人食い鬼、お札ではやまんばを小さなものにばけさせて、ペロリとたべてしまう結末。
百姓じいさまが馬をつれて、いい声で歌いながら山道を歩いていると、であったのが天狗。
天狗から「つまんで食うてしまうぞ」と、おどされたじいさまが、はじめは大きく、次には小さく化けさせ、カリッ カリッリと飲み込んでしまいます。
楽しいのは、大きくなるさま。
雲をつんぬけ、千年杉より、もっとふとい、毛だらけの足。
天狗さまの自慢話。
「鞍馬山で十年、羽黒山で二十年、天竺で三十年、みっちり修業してきた」
馬もヒヒヒーンとないて、じいさまを応援です。
じいさまの歌もあじがあります。
そよら そよらと
たてがみ なでて ホイ
ふくや 春風 里までも
エーソラ ホイホイ
長い話だと、どこかを切り取ると同じような場面にあいます。いつもいつも新しいものを創り出すというわけにもいかないようです。
ふしぎなナイフ/中村 牧江 林 健造・作 福田 隆義・絵/福音館書店/1997年(初出1985年)
表紙にあるような一本のナイフ。
切るものとおもっていると、次々に形をかえていきます。
既成概念に凝り固まっている大人からみると想像もできません。
ねじれる おれる われる とける きれる ほどける
ちぎれる ちらばる
のびて、ちぢんで ふくらんで・・・。
不思議なナイフ、絵本です。
大評判の絵本ですが、こどもの方が素直に楽しめそうです。
銀のかんざし/世界むかし話 中国/なたぎりすすむ・訳/ほるぷ出版/1979年
毎日、山でシバを刈っては、そのシバを売って暮らしを立てていた太郎と次郎という二人の兄弟。
この二人が山へ行く途中、いつも一人の娘を見かけます。太郎も次郎も、この娘を嫁さんにできたらと思っていました。
ある日、助けを呼ぶ声がするので、二人が駆け付けると、あの娘がトラにくわえられていくところでした。二人が追いかけていくと、トラは娘をくわえたまま、底も見えない深い深い穴に飛び込んでしまいます。
太郎はしり込みしますが、次郎は、太郎に綱でおろしてもらって、娘をトラから救い出します。
太郎は、綱で、まず娘を引き上げます。予感がしたのか娘は銀のかんざしを二つに折って、片方を次郎にわたしていいます。「なにかあったら、このかんざしをめあてに、わたしを探しに来るのよ」
こうした物語では、次郎が穴に置き去りにされます。
ひとり穴に残された次郎は、トラに連れ去られた龍王のお姫さまを助け、竜宮へいきます。
竜宮では、宴会があり、食べるもの着るもの、すべてが上等で、宮女たちが歌や舞で、もてなします。
竜宮のお姫さまも、次郎が気に入っていたのですが、どうしても好きな娘がいるという次郎を引き留められないとわかって、竜宮のお土産に、龍王の机の上の玉手箱をもらうように話します。
玉手箱をもって、やっと家に着いた次郎ですが、米粒一つないという、おばあさんのいうことを聞いて、またシバを売って食べ物を手に入れようと考えると、あの玉手箱から大粒の米があふれてきます。
最後は、銀のかんざしの片方がきめてになって、むすめとめでたく一緒になります。
昔話では、兄が相当のワルに描かれるのが通常で、後味が悪いものが多いのですが、結構さっぱりしていてすくわれます。
竜宮の場面がなくとも、話は成り立ちそうですが、聞き手をあきさせない工夫があったのでしょうか。
竜王のお姫さま、竜宮にいるエビ兵やカニ大将がでてきて楽しく、龍王も「人の世の縁談をぶち壊すのは、本当は好かんのじゃ」とさばけています。
女王さまのぼうし/スティーブ・アントニー・作 訳:せな あいこ・訳/評論社/2015年
女王さまがおでかけ。すると、風がふいてきて おきにいりの帽子を吹き飛ばしてしまいます。
帽子をおって、女王さま、衛兵がおいかけます。ワンちゃんも一緒。
トラファルガーひろばをこえ、ロンドン動物園、地下鉄、ロンドンアイ(観覧車)、タワーブリッジをとおりすぎ、ビッグベンまで。
それでも まだまだ そらのむこうへ。ひゅうううう!
ケンジントン宮殿へ。
そう、これはロンドンの名所をめぐる旅です。
子どもにとっては、でてくるものになじみがありませんから、少し入りにくいかも。
でも、表紙の絵といい、かわいらしい女王さま、ビッグベンから衛兵たちが、傘を片手におりてくる場面など、みどころがいっぱいです。
女王さまと一緒においかけるワンちゃん、それと多分紅茶をトレーを乗せたまま一緒に走っている執事さんを探すたのしみもあります。
世界むかし話 アフリカ/掛川恭子・訳/ほるぷ出版/1989年
国まで特定されていないのですが、アフリカの昔話。
もともとそうなのか、訳で工夫されているのかさだかでないのですが、でてくる人の名前。
酋長の子どもの一番上は”じゅず玉おんな”
一番下のむすめが”小さなワシむすめ”
二番目の息子が犬の代わりにするとつれてきたヒョウの子の名前は”長い結婚の歌”
召使がでてきますが、”イヌのしっぽ”
小さなワシむすめの冒険談ですが、ワシむすめは、鳥のワシとは関係がありませんし、”じゅず玉おんな””長い結婚の歌”も、別にこんな名前でなくとも、物語には影響しない不思議な話です。
名前には、その国のいわれがこめられているので、日本語では表せないニュアンスがありそうです。
ねずみのおいしゃさま/中川 正文・作 山脇 百合子・絵/福音館書店/1977年
大雪の日の夜中に、ねずみのおいしゃさまのところに、でんわがかかってきます。
リスのぼうやが風邪をひいて熱をだしたというのです。心配するおくさんに、夜中にでかけるのもいしゃのしごとだよと、でかけていったねずみのおいしゃさん。
「さて、ひとはしり!」とスクーターにのったものの、雪だるまのようになって、スクーターもうごかなくなってしまいますす。
どこかやすむところがないかと、さがしていると、みつけたのはカエルおうち。
カエルはみんな冬眠中で、誰も返事をしません。
ねずみのおいしゃさんは、カエルの家で温まっているうちに寝てしまいます
翌朝になると、まぶしいほどの天気。いそいでリス君のうちに向かいます。
ところが、雪で冷やしてやったらすっかり元気になったというのです。
苦笑いして家に帰ったねずみのおいしゃさまでしたが、冷たい雪にぬれて、こんどは自分がひどい熱をだしてしまいます。雪で冷やそうとしますが・・・。
「そとではたくさんのひとがねないでしごとをしているというのに」という場面で、どろぼうや、学者、道路工事のキツネ?がでてくるので思わず笑ってしまいました。
でも、大雪の中で無理して、おいしゃさまが病気になって困るのは動物たちですから、カエルの家で眠ったのも許してくれるでしょう。
カエルのおうち、なかなか素敵ですよ。
ねずみのおいしゃさまの家に、さまざまな花があるのは、薬にするのでしょう。
あひるのたまご-ばばばあちゃんのおはなし/さとう わきこ:作・絵/福音館書店/1997年
あれあれ、いつもは元気な、ばばばあちゃんが、おなかをかかえてベッドにもぐりこんで、何日も寝たまま。
「ばばばあちゃんが病気だ!」と思ったいぬとねこが、森じゅうのみんなに知らせてまわったので、
動物たちが、見舞いを持って集まってきました。
ところが、ドアをドンドンたたくおとがして、アヒルが「あたしの たまご どこ いっちゃったのかな。だいじな たまごなのよ。だれか しらない」と、とびこんできます。
すると、ばばばあちゃんが「なんだ、おまえさんだったのかい。だめじゃないか。たまごをほったらかして どこかへ いっちゃあ。ほら わたしが かわりに あたためておいたよ」とだしたのはたまご。
アヒルがたまごを、あたためはじめると すぐに ひよこが生まれます。
そして、みんなが持ってきたお見舞いのやまは、ひよこのお誕生パーティーにはやがわりです。
みんなで、のんだり たべたりしていると、とつぜん、ばばばあちゃんが、おなかをかかえてあるきだし、うーん ううう・・とうなると、さっさとベッドの入ってしまいます。
また病気なのかと心配した動物たちでしたが・・・。
お花、サツマイモ、ニンジン、バナナ、パンとハチミツなどのお見舞い品は大歓迎ですが、ふくろうが、口にくわえてもってきた、ミミズはどうなったでしょう。
お誕生パーティーは、ケーキもジュースもあって楽しそうですよ。
シリーズになっているようですが、ばばばあちゃんが動物から好かれるようになったのは、どういうわけなのか知りたくなりました。
ねんにいちどののみのいち/高松 葉・文 大島英太郎・絵/福音館書店/1996年
子どもにとって”蚤の市”というのは少しなじみがないかもしれません。
古道具や古着を売る露天市ですが、ここでは動物たちの年に一度の蚤の市です。
とにかく掘り出し物を見つける楽しみな蚤の市。
ツバメは、どろと土で作ったおきもの
ハタネズミは、お弁当箱やお菓子入れになる山栗の殻
アマガエルがうっているのは、トンボの羽。売りはサングラスになるというもの。
カナヘビは自分のしっぽ
アオダイショウは去年の抜け殻
ザりガニの ハサミ
いい出汁とれるのは こいのうろこ
柿のへたは バッジに帽子に
遊覧ボートもあって、福引きもあります。
福引きは、カワセミが魚をくわえたときにかかれている数字できまります。
文とは別に、動物たちが勝手に?いろいろ、つぶやいているのが、なんとも楽しいものになっています。
この蚤の市にあるのは、再利用するものばかりで無駄がありません。蚤の市のビラも葉っぱです。