ワクチン半数超が1回接種 高齢者88%、現役世代課題 完了後の感染15分の1 開始から半年
政府は18日、国内で新型コロナウイルスワクチンを少なくとも1回接種した人が、人口の半数を超えたとする集計結果を発表した。2月17日に医療従事者らへの接種が始まって以来、半年で到達した。高齢者は88%で今後は企業や大学での職域接種などを活用した現役世代への拡大が課題となる。2回接種後に感染する人は、未接種の人に比べて15分の1以下に抑えられていることも厚生労働省の分析で判明した。
政府集計によると、17日時点の総接種回数は1億1335万回。企業などでの接種は1千万回を超えており、現役世代への普及を後押ししている。1回目を終えたのは6399万人で人口の50・3%。2回目は4935万人で38・8%だった。65歳以上は、1回目3141万人で88・5%、2回目が3004万人で84・7%。
政府は医療従事者に次いで4月から高齢者への接種を開始。当初はワクチンの輸入量が限られていたため接種回数は伸び悩んだが、5月中旬ごろから本格化した。
政府によると、6月は1日平均110万回、7月は同150万回と目標を上回るペースで進んでおり、8月も100万回以上を維持している。
当初は人口の半分が接種すると感染が広がりにくくなる「集団免疫」の効果が出始めるとの見方もあったが、デルタ株の影響もあり、収束の気配は見えない。ただ2回接種を終えた人の感染は少ない上に、重症化したり死亡したりする例も減っており、デルタ株の流行下でも確実に効き目は出ている。
厚労省は18日、感染者のワクチン接種歴を公表。10日から12日に報告された新規感染者約5万7千人のうち、2回接種を完了していた人は1768人で全体の3%だったのに対し、1回も打っていない人は82%を占めた。10万人当たりに換算すると、未接種の人は67・6人感染しているのに対し、2回接種した人は15分の1以下の4人にとどまっている。
菅義偉首相は、8月末には国民の半数近くが、9月末に6割近くが2回接種を完了する見通しと明らかにした上で、10~11月のできるだけ早い時期に希望する全国民への接種を終えたいとしている。