病院職員の子どもら250人、市教委が小中学校を早退させる…勤務者の感染判明で
由利組合総合病院(秋田県由利本荘市)で職員の新型コロナウイルス感染が判明したことを受け、由利本荘市教育委員会が同病院で働く職員の子どもら約250人を小中学校から早退させていたことが27日、市教委への取材で分かった。市教委は「医療従事者へのコロナ差別を助長しかねない不適切な対応だった」として、病院に謝罪する方針。
同病院は25日に職員の感染を公表。市教委は同日、市内の複数の小中学校に対し、同病院で働く保護者に児童らの早退を要請するよう指示し、承諾した保護者の児童や生徒ら約250人を早退させたという。
市は昨年作成した市独自のガイドラインで、PCR検査の対象者の子どもは出席停止にすると定めており、市教委はそのガイドラインに沿った措置だったとしている。市は26、27日は市内の小中学校を全て休校としており、保護者から「全員を早退させるべきだったのではないか」などと市教委に意見が相次いだ。
市教委学校教育課は読売新聞の取材に対し、「生徒や保護者を不快な気持ちにさせてしまい、大変申し訳ない。コロナ差別を助長しかねない、まずい対応だった」としている。
これを受け、県医師会は26日、県教育庁に再発防止を要請した。同会の小玉弘之会長によると、これまでに医療従事者を親に持つ子どもが学校での食事の際に他の子どもと机の距離を取るように指示されたり、スーパーで医療従事者の家族の来店が断られたりした事案が確認されているという。
小玉会長は「市教委と学校の配慮が足りていなかった。学校関連の感染に関しては学校や市教委で独自に判断するのではなく、地区医師会や保健所と話し合い、丁寧に対応を決めるべきだ」と指摘している。