Mars&Jupiter

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ヤニス・イヴァノフスの交響曲第20番変ホ長調を聴きながら、二俣川から鶴ヶ峰まで歩く

2010-08-30 05:06:31 | 古典~現代音楽バルト3国編
昨日は二俣川から鶴ヶ峰駅まで歩きました。
途中聴いたのは、1906年生まれのイヴァノフスの作品である。
ラトビアの作曲家である彼の略歴は以前触れたので省略する。
交響曲第20番変ホ長調は、1981年に作曲された。
聴いたCDはドミトリ・ヤブロンスキー指揮、
モスクワ交響楽団の演奏によるもの。
第一楽章モデラート・トランクィロは、
弦楽器により幻想的なユニゾンで始まり、木管楽器も絡む。
やがて、弦楽器が速い感じの旋律を奏でると、
金管楽器も加わり、激しく荒々しい闘争的な感じの曲になる。
それが終わるとオーボエのあと、低弦がせわしないような音型を奏で、
金管楽器も加わり、再び緊張感のある音楽になっていく。
それが静まると鐘の音が鳴り響き、穏やかな感じの曲になるが、
しかし、弦はせわしない感じの音型を繰り返して、静かに終わる。
第二楽章アダージョは、弦楽器のユニゾンで始まる。
ゆったりと淡々した感じで奏でられるこの旋律は、
時には情熱的になりながら、展開されていく。
クラリネットも加わり、感傷的で叙情的な旋律が弦楽器にも現れる。
ここには作曲者の心の中の叫びが反映しているようでもあり、
暗く悲しい気持ちと平和を憧れるような気持ちが交錯する。

第三楽章メヌエット:レミニッシェンツァ(回想)は、
短い古典派風の舞踏曲であるが、悲しい感じの曲である。
中間部はオーボエやフルートが活躍し、明るい感じの曲。
再び最初のメヌエットが現れ、トランペットも加わり、
大げさな感じでもあるが堂々とした感じで終わる。
第四楽章アレグロ、コン・ブリオは、
冒頭金管楽器も活躍し、荒々しく激しい感じの旋律で始まる。
弦楽器は感傷的な旋律を奏でるが、この2つの旋律が絡み合っていく。
最後の方で荒々しい音楽は消え、鐘の音が鳴り響くが、
それは平和の鐘という印象を与えない。
まだこれから何かが始まることを予感させるような
漠然とした不安な要素を残したまま曲は静かに終わる。
この交響曲で作曲者が何を伝えようとしていたかは私には分からないが、
それまでにあったラトビアの歴史に関係している悲劇的な事件や
思い出がここには表されているようでもあり、
一方で1980年代はラトビアでソ連からの独立運動が、
激しくなっていった時期にあたるので、
それを作曲者が予感していたのかもしれない。
ここには暗い過去を感じさせるところがある。
コメント
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