夏の陰影

2021-08-12 21:36:41 | 大屋根の家


最近の夏の日差しはとてつもない強さで、視界のなかで物の輪郭が白くぼやけてしまうほど。
体温を超えるような暑さのときは、室内を涼しくして過ごしていることに幸せを感じます(笑)

写真は「大屋根の家」。竣工後まもない頃はちょうど真夏で、暑い日にお伺いしたときの写真です。
まあ特等席で冷たいものでも、と案内され、窓辺のラウンジチェアで麦茶をいただいているシーンです。

深い屋根庇に守られた大きな窓ガラスの前にレース状のロールスクリーンを下ろし、強い光は紗がかかり柔らかく感じられます。
スクリーンの向こうで、日差しに照らされる庭木が、遠くの出来事のよう。
室内は高い勾配天井になっていて、陰影のなかに身を置いていると眠気がやってきます・・・
仕事で行っていたはずなのですが(苦笑)

日本の気候はだんだんと厳しいものになっていっています。
住宅は、そうしたハードな環境から身を守るシェルターとしての意味合いも次第につよまっているように思います。
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露地の先に

2018-02-28 20:52:06 | 大屋根の家


「大屋根の家」にある、天井高さ3.6メートルの不思議な細長い空間。
実はここは、和室へのアプローチ空間なのです。
リビングのそばにあって、転がり込むようにゴロ寝できる和室も良いですが、和室に行くのにドラマ(!?)があるのも、なかなか愉しいものです。

床は「なぐり加工」が施されたナラの無垢板フローリング。素足にとても気持ちいいです。

「露地」と名付けたこの空間の先には、床が一段落ちていて、睡蓮鉢が置かれています。中には切り花が水に浮かべられて。
その先に見える庭の眺めにつながっていきます。


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窓辺で一服。

2017-06-26 11:50:51 | 大屋根の家


関東も梅雨にはいり、じめじめとした暑い日も増えてきました。
そんな暑い休日に家で過ごすときに、冷たい麦茶でも飲みながら、ゆっくりと本でも読めるような窓辺のコーナーがあるとちょっと愉しいものです。

「大屋根の家」はその名のごとく、大きな屋根がゆったりかかる家で、その軒下は深く日差しを除けてくれます。
窓はとても大きいのですが、アルミサッシを使いながらも、窓枠のデザインを凝らして、木製の窓のような佇まいにしました。
格子部分は網戸になっていて風通しができます。

窓辺でゆっくり過ごすためには、隣地からの目線除けや明るさ調整のために、窓辺のしつらえが必要です。
ここではダブルタイプのロールスクリーンを設置し、天井のボックス内に格納されています。

レース状のロールスクリーンは茶がかった色で、これを通して外を見ると、風景が程よく紗がかかって見えます。
室内にも、ちょうどよい陰影が宿り、気分が落ち着きます。

強い日差しを受けて、樹影が壁にくっきり映り込んでいるのを、ぼぉっと眺める。
それだけで、家のなかにいるのがなんだか幸せに思えてきます(笑)



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