東京ではひと頃の雨と涼しさが去り、また蒸し暑い日々が続いています。
窓の外の緑も、夏の湿気を帯びて存在感を増しているように思います。
一戸建ての住宅では、1階の窓から庭を眺めるのと、2階から眺めるのとでは、同じ庭でも、その感じ方はまるで異なります。
上の写真は、1階にあるアトリエ内の僕の席からの眺めです。
もともと小さな坪庭のような中庭ですが、上から緑がかぶさるような、木洩れ日が降り注ぐような雰囲気を楽しみたいと思って、スペースのとり方や窓の開け方を工夫しました。
そうして設計をしている時にちょうど、以前から知っていて時折聴いていたヘンデルの古典曲「オンブラ・マイ・フ」(Ombra mai fù)が、木陰の愛を唄ったもの、ということを知りました。
Ombra mai fù di vegetabile,
cara ed amabile, soave più
木陰で 今までで一度もなかった
これほど愛しくて優しくて、快いものは
ありがとうヘンデル!!と言いたくなるような、うれしい気持ちになりました(笑)
美しい小品と評される「オンブラ・マイ・フ」
僕がつくる住宅も、そんな風に感じとってもらえると嬉しいなあと思いつつ。