高窓の光

2024-03-31 00:07:12 | 緑の回廊の家


スペインやイタリアにある小さな教会や礼拝堂に訪れたときのことをよく思い出します。
仄暗くて、しんと静かな空間に、高窓から光がすぅっと入ってくる。
小さな空間だからこそ、そのささやかな光がとてもかけがえのないものに思えます。
そんな気分にさせてくれる空間を、つくってみたいと思っていました。

「緑の回廊の家」は、庭に面して大きく窓が開かれ、室内と庭とが一体となった雰囲気の家です。
明るく開放的な室内のなかに、すこしだけ、翳りと光を印象的にもたらしたいと思いました。
そんなことを思いながらデザインしたのが、上の写真のような高窓です。

木の板張り天井の一部が斜めに切れ上がって、高窓から光が入ります。
午前中のある時間帯だけ現われ、刻々とその表情を変える特別な光と陰影。
開口部にはレトロな装飾ガラスがはめ込まれていて、さながらステンドグラスのよう。
不思議なことに、室内に落ち着きと寄る辺をもたらしてくれました。






コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ギャラリーのような空間

2024-03-16 23:50:20 | 進行中プロジェクト


都内で進めてきた住宅の現場。
緑溢れる庭が主役の家ですが、室内には写真のような静かな雰囲気の場所もあります。

個室のなかですが、さながらギャラリーのような雰囲気の壁になりました。
白い壁の上をゆったり漂う、自然光と翳りの移ろいが印象的です。

完成は、もうすぐ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

山中湖へ。

2024-03-09 22:02:12 | 山中湖の家


雪の山中湖へ。
鉛色の湖と、一面の銀世界。
風光明媚なこの地の、モノクロームの世界観にしばし酔いしれます。



その森の奥に、現場があります。
雪原からひょっこり三角の顔を出して可愛らしい感じ。
森の中に隠れた、平屋の家です。



現場では棟上げをした直後で、構造や屋根ふきの作業が進行中です。
ブルーシートに覆われたところはダイニング。
小さな間取りにポンっと天井が高く、まるで森の中の小さな礼拝堂、という雰囲気です。
その空間のなかに、10人以上が集える大きなダイニングテーブルをつくる予定です。

室内はざらりとした左官塗の壁になる予定で、森からの自然光が差し込み、そして陰影をつくってくれることでしょう。
まだ工事が始まる前、何度も現場に来ては、光と陰影の空間を夢想していました。
いよいよその空間が形になり始め、否が応でも気持ちがたかぶります。

しばらく、山中湖通いが続きそうです。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする