コンクリートの型枠

2019-04-26 21:55:53 | M's ark


川口市で建築中のM's ark の現場。1階のコンクリートの型枠が外されて、杉板の木目模様のコンクリートが現れました。
細長い敷地の形に沿うように、コンクリートの壁が道路から奥の中庭までずっと続きます。
商業地の真っただ中にある環境ですが、中庭のおかげで、特有の静けさのある空間になりそうです。



コンクリートの型枠工事の職人さん。コンクリート打設までもう一息、という時のスナップ。
斜めに角度がつき、極端に細長く凹凸の多い複雑な形状の建物。
設計屋さん、これはたいへんだよお~。今後、こんな難しいのに出くわすことあるかなあ。
苦笑される大工さんを前に、感謝の思いしかありません。
ご苦労をおかけしますが、その分、この土地ならではの唯一無二の空間ができあがることを祈りつつ。
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アウトドアリビングを楽しむ

2019-04-22 22:16:43 | 月見台の家


4月も後半になり、一気に暖かく過ごしやすい日が続いています。家の中だけでなく、家の外にも生活空間が広がれば、家での過ごし方がもっとのんびりと、のびのびと、楽しいものになると思います。
ゴールデンウィークも、行楽地はきっとどこも混んでいますから、昼間からちょっとビールなんか飲みながら本を読んだりする気持ち良いスペースが家にあるとサイコーだなあなんて思ってしまいます(笑)

そんなことを思い浮かべながら設計した住宅「月見台の家」。
ダイニングの続きでデッキコーナーがありますが、テーブルを置ける広いデッキコーナーにつながり、一段降りると、ベンチの上にパーゴラのかかったコーナーがあります。
今ぐらいの時期から、つる性のモッコウバラがきれいに花を咲かせ、ベンチコーナーが緑に包まれます。



大きな庇もしっかりかかったこのスペース。これから雨が多い季節にも重宝されます。
家の中と外を行ったり来たり。
美しい窓辺。居心地の良い窓辺。
そんなふうにして、エクステリアを暮らしの一部としてデザインすると、生活空間がぐっと楽しくなると思います。




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家が永くあるために。

2019-04-18 20:22:19 | 久が原の家


以前にどこかで聞いたことがあるのですが、イタリアでは、新築の家よりも年数を経た家の方が価値があるのだとか。
実際にそうなのかどうかはわかりませんが、そうだとすればとても意義深いものだと思います。
なにせ、造ったものがきちんとストックとして扱われ、長く使われ続けることを意味していますから。

そう、家をデザインとしてみると姿かたちの良しあしが気になるところですが、同時に、家は使われるものです、道具のように。
道具ですから、メンテナンスしないと使い続けられません。家の場合、メンテナンスが必要なのは目に見えるところだけとは限りません。
水やお湯の配管も、高圧力や温度差にさらされ、いずれ劣化します。それをメンテナンスできるようにしてあるかどうか。

写真はヘッダー方式という配管の方法で、もし配管の不具合があった場合、生活に支障なく部分的な補修で済むように工夫した配管方式です。
床下に潜り込んで作業ができるように、点検口や床下の移動ルートも確保して設計したものです。
この家では、自分たちの次の世代も安心して家を受け継げるように、老後のみならず将来的な備えを大事にしてつくった家でした。
目に見えない部分ですが、これから新築をするときには、そんな配慮はきっととても大事なのだと思います。

そして、目に見える部分は、経年による「劣化」ではなく、「味が出た」と思えるような家でありたいと思います。
ペンキを塗り重ねたりしながら、年月を経てより愛着が増すような佇まいや質感の家でありたい、そんな風に思います。
遠い昔に建てられたイタリアのヴィラが、今もなお愛おしく思えるように。

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新しい家と古い家具。

2019-04-12 22:27:33 | 古河の家


引っ越してまだ間もない「古河の家」にお伺いしました。まだすべてが片付いているわけではないけれど、ゆっくりゆっくりと生活の場がかたちづくられていきます。

無垢の木のフローリング。
黒い鋳物のペレットストーブ。
木でできた窓枠。
グレージュにペンキで塗られた壁。

ここでの暮らしに必要なものを丁寧につくり、選んだ物。



この日は井戸のポンプの設置工事が行われました。ダイニングに面した中庭は、これから植栽が入る予定です。
まだ無味乾燥とした状態ですが、やがて、しっとり静かな雰囲気の中庭になるでしょう。

ダイニングテーブルはチーク材でできた北欧アンティークのものです。
木の窓枠とグレージュの壁と相まって、落ち着いたダイニングコーナーができあがりました。
これから中庭に植栽が施されると、ずっといても飽きない、居心地の良いスペースになりそうです。
古い街並みの雰囲気に寄り添うように造られた家。そこに置かれるアンティークの家具。
新しいけれども古びている、そんな美しさがあると思います。

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大磯の家

2019-04-07 16:43:21 | 大磯の家


神奈川県の大磯で住宅の設計をすすめています。

敷地の背後にある地山に調和する佇まいの家にしたいのです。そんなお話から、この家の設計は始まりました。
周囲の家はどれも2階建てで、敷地になるべくいっぱいに建っています。
そんななかで、あえて平屋ですすめることになりました。

シンプルな切妻屋根の家。
プランは桂離宮のようにジグザクと雁行し、数寄屋の趣。



アプローチ。雑木の庭。坪庭。北の地山。
いろいろな方向に、いろいろな景色を楽しめるように窓辺のデザインを工夫しています。
印象的な窓辺と、大きな壁の余白と。
壁に映り込む樹影も、きっと空間に趣を与えてくれるでしょう。

余韻と、陰影と。
静かで豊かな家にしたいと思います。


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