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暑い夏の思い出の写真から。
ローマの旧市街 テヴェレ川の近くに、ジュリア通りという道があります。
エッセイなどを読んでいると、須賀敦子さんなど何人かの作家が、ローマで一番好きな道、というようなことが書いてあるのが印象的だったのですが、初めて訪れた時、そのこころがわかるような気がしました。
1キロ以上続く、一直線の道。その左右には趣のある館が並びます。見逃せないのは、立体交差する道のアーチ状のトンネルがあるところ。
一直線の道の単調さを、独特の風情に変えているのは、このアーチによるところが大きいのでしょうか。
工業製品の塗り壁材ではつくりだせない、実に味わい深い壁の表情は、見ているだけで飽きません。
この道の傍らにずっとあり続けた壁。建物の用途は数世紀の間に変わっていけども、風景の一部として変わらない姿があり続けるのは、とてもうらやましいことだと思います。
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