時計塔

2019-02-24 22:22:20 | アート・デザイン・建築


埼玉県川口市で現場が始まり、久々に懐かしの時計塔に再会に。
駅前のCupola広場に建つ、黒い時計塔モニュメント。
僕が独立して設計事務所を立ち上げて間もない頃、時計塔のデザインコンペがあったのでした。
応募して案が採用され、実現したものです。
独立後、初作品でした。

川口は鋳物業で有名です。地元の鋳物業者さんとのコラボで、鋳物のボディができあがりました。
表面には「川口」の文字をかたどったレリーフで覆われています。

できあがってから十数年。少しずつ色褪せながらも、いまだに健在な様子で嬉しくなりました。
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ザ・ハウスの本

2019-02-17 23:11:56 | 


僕が建築家登録をしている注文住宅マッチングサービス会社「ザ・ハウス」より、本が出版されています。
その名も「良い間取り 悪い間取り」。

一軒の住宅の設計プロセスのなかで、間取りは変遷していきます。
なかなか難題の計画であっても、いろいろとスタディをすることを通して、ある時ある瞬間に「これだ!!」と閃くようにして解けることもあります。
そんな風にして最終的に採用となった間取りの案と、当初の案とを比較しながら、どのようなところに違いがあり、どのような暮らしの差が生まれるのかがわかりやすく解説してあります。
読んでみると、間取りの違いで 家の良しあしや心地よさが変わるものだとあらためて気付かされます。

僕のアトリエからも2作品について紹介していただいています。
ぜひご購読ください!!
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ちいさな中庭

2019-02-07 22:22:03 | 旅行記


息子が今春から通う小学校は、今年で創立145周年を迎え、区内最古だそうです。
学校の敷地も思いのほか小さく、傍に神社もあって、古くからあったんだろうなあという雰囲気がじんわりとにじみます。
でも、校舎は創立当初のものでは当然なく、鉄筋コンクリートの建物です。

小さな子どもが過ごす環境が、ずっと昔のことを感じ取れるような雰囲気だったら、もっと素敵だろうな、と思います。
そんなことを考えながら思い起こすのは、イタリア・フィレンツェにある「孤児養育院」です。

イタリアの初期ルネサンス建築の巨匠フィリッポ・ブルネレスキが設計した施設で、15世紀に建てられた古い建物が、今も子どもの養育のための施設として使われ続けています。
石造だから建物は残りやすいわけですが、現代の実用に合わないことがあるのは承知のうえで、大事に使われ続けています。

ルネサンスという時代は、それまでの形式から離れて、人間本位に立ち返るような時代でした。
この孤児養育院も、子どものスケール感に合わせるかのようにして、それまでの時代には考えられなったこじんまりとした居心地の良い回廊と中庭を、ひっそりと抱いています。
数世紀の時間を隔てて、そこを走る子どもたち。



長い年月の間に無数についた傷と、褪せてくすんだ色。ずっと昔からあった場所に、身を置くということ。
それだけで、何かに守られるような安心感とともに、自分以前の存在や時間を大切にする心が育まれるようにも思います。

いつか僕が子どものための施設を設計することがあったら、必ずブルネレスキの養育院を思い出し、そこに浸みわたっていた親和性と穏やかさと包容力に思いを馳せながら設計するのだろうなあ。
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