以前にイタリアのフィレンツェを旅したときに、心に残った場所があります。
そこはサンタ・マリア・ノヴェッラという教会にある中庭でした。
その中庭は小さくて心地よい広さで、緑が植えられていました。
中庭を囲むように回廊が巡っていて、ベンチに座って時間を過ごしていると、とてものんびりできました。
明るくて、通る風が心地よくて。
キオストロ・ヴェルデ ~緑の回廊~
この場所はそんなふうに呼ばれているそうです。
緑あふれる回廊を巡る楽しみをつくりたい。
そんなことをずっと思い描いていました。
それから何年も経って、実現したこの家。
家のまわりにはゆったりと回廊が巡り、さらにその周りには緑があふれます。
回廊には屋根が掛かり、列柱が空間にリズムを刻みます。床のタイルのテラコッタ調の色彩が、緑とあわさって優しい感じです。
そして回廊は屈曲しながら奥へ奥へと続き、誘われるようして歩み進むと、そこには・・・。
ここからは、またあらためてブログでご紹介します(笑)
新緑の季節らしい気持ちのよいお天気のなか、この「緑の回廊の家」を訪問しました。
植わってからまだ2か月ほどしか経っていないけれど、若々しく元気な緑が迎えてくれました。
回廊には木漏れ日がゆらめき、秘めやかな風情に満ちていました。
愛犬家のためにつくられたこの家。
室内と庭との間にゆったりと広がる回廊の空間は、天候に関わらず愛犬とゆっくり過ごすのにうってつけです。
でもそれだけでなく、せっかくだからガーデニング用具を回廊の壁に掛けようとか、干し柿を吊るしたいねえとか、建て主といろいろな話で盛り上がりました。
家ができあがってから、むしろ楽しみが広がっていく家というのは、とても素敵だなと思います。
そして、年々と成熟していく緑はいちだんと回廊を包み込み、さらに風情が増していくことでしょう。