先月のブログにも書いたのですが、百合の話をもうひとつ。武尊の山からもらってきた華やかな橙色の百合の他にもう1本、実はもらってきていたのでした。もちろん、花の季節が終わった後だったので、そのときは何色の花なのかはわかりません。
2本の百合を、ひとつは南に面した白い壁の前の花壇に、もうひとつは中庭のこんもりと茂った花壇の中に植えたのでした。白い壁の前の百合が、逞しく華やかであるのに対し、中庭の百合は、ゆっくりと静かに伸び、そしてある日、白い一輪の花を咲かせたのでした。
今年も、どこか儚げに白い百合は咲きました。梅雨の雨に濡れ、もやがかかったような空気のなかで咲く花を見ていると、日本的な美しさって、こういうことをいうのかな、と思ったりもします。それに対し橙色の華やかで逞しい百合は、南欧的な美しさ、というべきか。
目立たぬように、めだたぬように。そんな美しさが潜む中庭はどこかミステリアスで、梅雨の時期が格別なのかもしれません。