昨晩 TVで「魔女の宅急便」がやっていて、ついつい見入ってしまいました。
Yahooコメントかなにかで、何十回観ても飽きない、と書かれていましたが、ストーリーも知っているのに何回でも観たくなるというのは、いったいどういうことなんでしょう。
ぼく自身も、何回か観たことがあるような気が(笑)
なんだか幸せな気持ちになるんですよね。お馴染みのストーリーもさることながら、背景の美しい街並みや、魅力的なパン屋さんにも。
モデルとなった街並みは、実在するいくつかの街並みのイメージをミックスしているそうですが、そのなかのひとつにポルトガルの港町ポルトも入っているそうです。
もう15年以上前ですが、旅行で初めてポルトの街に訪れたときには、遠い街に来たなあと感慨にふけった記憶があります。
電車の終着点サン・ベント駅は、石とタイルで覆われた建物で、いい具合に摩耗した雰囲気が、ぼくにはとてもしっくり感じられました。
ポルトの街は、道路の舗装も、建物の壁も、家具も、何もかも、昔から存在する古い素材でできている街。単純に言うとプラスチックとかビニールとかが無いのかな。
どちらかというとそういった素材に囲まれた東京に暮らす身からすると、とても羨ましくなりました。
道すがら出会ったパン屋さん。店構えは石造り。そのガラスショーケースのなかにはパンがゴロゴロ。パンまでもが石やガラスと同じような「素材」に見えてくるから不思議です。
パッと見には石ころのような固そうなパンなのですが、実際に買って食べてみると、ふんわり柔らかくて美味しいこと!
「魔女の宅急便」でキキが店番をするパン屋さんは、また別の街に実在するパン屋さんがモデルになっているそうです。
店の外から眺めて楽しく、ドアを開けてその香りで幸せになる、という様が、映画のなかでも活き活きと描かれています。
斬新な何かを描き出すというよりも、これまでの人生で見たり聞いたりしてきたあらゆる「記憶」が、映画を観ながら去来するような感覚がもたらされます。
メランコリックな気分のテーマ曲や、空をホウキにまたがって浮遊するシーンは、すべて「記憶」という儚いものに繋がっているような気もします。
そんなところにも、この映画の飽きない魅力があるのでしょうか。