コケ目地

2017-10-29 17:56:00 | 自由が丘の家


爽やかな秋のイメージとは裏腹に、今年の東京は雨続きです。そのせいか、ぼくの事務所の前のアプローチ舗装に芽生える「苔」たちも、なんだかいつもにも増して元気になっててきました(笑)
この舗装は「モルタルサイコロ」という粗雑なコンクリート片が敷きならべられてできています。
モルタルサイコロというのは、コンクリート工事の際に鉄筋のスペーサーとして使われるもので、純然たる裏方の材料です。
寸法の精度は悪く、表面は粗くガサガサ。
実はこれが良い味を出してくれるのです。

日本の職人さんはとても技術が高く、精度よくものごとを作るのが美徳とされます。
ですから、もっとラフな感じに・・・というオーダーは、逆にやりにくいそうです。
そこで、もともと寸法がいい加減な材料を、きれいに並べてください、とお願いすると、いい案配のラフな感じが出ます。

モルタルサイコロをきれいに並べても、当然スキマができます。
そのスキマに小さな植物の種が入り、数年越しでご覧の写真のような「コケ目地」ができました。
年月と共に味の出る、カタログには絶対に載っていないオリジナルなデザインです。
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晴れた日に。

2017-10-04 22:30:59 | 吉祥寺北町の家


点検のため、2年弱前にお引渡しした「武蔵野の家」へ。
ここ何回かは、訪れるたびに雨や曇天だったのですが、この日は晴れて気持ちのよい日となりました。

生活が始まってしばらく経ち、設計していた時には気づかなかったけれども、ここはこうしておいたほうが使いやすい、というような改良点もありました。そんな風にして直しながら、細かい点を暮らしにフィットさせていくのが大事なのだろうと思います。

家具職人の古市健さんにつくってもらったナラのダイニングテーブルも、相変わらずの存在感で、ここが家の中心だ、ということを実感させてくれます。
なにせ、無垢の木を3枚接ぎですから。それはなかなか手に入らないものです(笑)

ちなみに、冬に訪れた時の光景が下の写真。同じ窓からの眺めでもこんなにも違います。
四季があるのって、素晴らしいなあとあらためて思います。


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