冬の色

2019-12-08 21:06:51 | 京都さんぽ


冬にしか表れない色があると思います。

写真は京都・桂離宮。
冬だけに訪れる独特の寂びた色合いを見ていると、心が静かになって落ち着いてきます。
北大路魯山人のいう「枯淡・無名色」というのは、こんな感じのことを指すのでしょうか。

塗料の色見本帳にはなかなか登場しがたい色ですが、もしあったとしても、ペンキ塗りで壁一面をごってり塗ってしまっては、このような枯淡な雰囲気は出ないのでしょう。
感覚というのは、難しいものです。
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室生寺の石楠花

2019-05-08 22:19:10 | 京都さんぽ


5月。奈良の室生寺では、しゃくなげの花が美しいとき。
先年も前に建てられた伽藍は、周囲の木々よりも古いのだとか。
土門拳曰く、芸術は自然より長いのだ、と。

なんだかこんな風景を眺めるだけで、心が落ち着く。
感動するのでもなく、わくわくするのでもなく、すっと染み入る感じ。

ほんのちいさな、でもとても意義深い場所。
そんな場所がずっとあり続けるのは幸せなことですね。

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冬の色

2018-01-05 10:23:13 | 京都さんぽ


正月に快晴が続いた東京も、今日は曇天。でもその鉛のような空も、それはそれで冬らしくていいものです。

写真は京都・修学院離宮の池の袂。今日のようにどんよりとした空のもと、古びた木の欄干がいい色をしていました。

枯淡、無名色。

個性を押し出して目立とうとする時代に、本気でこんな渋みを出せたらいいなあ。
そんなことを心の中で思いつつ、今年もじっくり仕事に取り組みたいと思います。
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京都さんぽ。16 ~壁の街~

2017-05-09 06:35:41 | 京都さんぽ


京都の大徳寺は不思議な場所で、その特徴はなんといってもその壁の多さ(?)でしょうか。
屈曲しながらつながる壁に誘われるように、奥に奥にはいっていく空間構成は、独特の風情があります。

大徳寺内にある、普段は非公開の養徳院。壁のなかには別世界が広がります。足元の踏み石のつながりを見ているだけでも美しい。
ある日の夕方、若い庭師がテキパキと手入れをしていました。
もう何百年と、世代を超えて庭づくりの作法が受け継がれていることに、目に見えない時間の厚みを感じます。
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京都さんぽ.15 ~雨~

2014-06-08 20:19:25 | 京都さんぽ

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梅雨の雨もしとしとと降る分には風情がありますが、最近の異常な降り方を見ていると、やはり気候変動が進んでいることを実感する思いです。きっとこれから、雨の量も増えていくのでしょうか。なるべく雨と仲良く付き合うような暮らし方をしたいものです。
 

 雨の日に特有の風情があると思います。晴れの日の華やかさが影を潜め、本来そこにある気配が覚醒するかのような。そんな感覚になったことがありました。たとえば、中部イタリアのアッシジで。またたとえば京都の大徳寺で。

 緑というのは不思議なもので、晴れの時よりもむしろ鮮やかに感じられます。そんな中を歩んでいくアプローチは素敵です。

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雨の日は傘をさしながら、なんとなくうつむき加減で歩くように思います。その目線の先の舗装を見ると、その美しさにはっとさせられることがあります。
 

 写真はいずれも京都・大徳寺の高桐院にて。大徳寺境内の塔頭のなかで、いつでも公開している4つの寺院のうちのひとつ。紅葉の季節が有名ですが、雨の日がいちばん美しいと思います。

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