ポルトのアンティーク

2023-05-27 22:22:34 | 旅行記


設計が進行中の2世帯住宅の計画があります。その住宅はクラシカルなデザインが当初からテーマになっていました。
クラシカルなデザインと言っても、そのニュアンスは様々です。
新築ですから新しい材料を用いるのですが、木材の樹種の選び方、塗装の仕上げ方などでも雰囲気が変わりますので、いろいろなものを調べてトライ&エラーを繰り返しながら進めています。
そんなプロセスもまたこのブログでご紹介していきたいと思いますが、今回は、旅行先で見つけた印象的なクラシカルなデザインのことを・・・。

使い込まれて素材の風合いに味わいが感じられるものは、とても素敵だなと思います。
ずいぶん前になりますが、ポルトの街を旅した時に乗った市電は、まさにそんな味わいに満ちたものでした。
内装の木材は何度もニスが塗り重ねられてテカテカに。金属製の手すりやハンドルはなんとも言えない風合いを帯びています。
真鍮でしょうか。現在では多くの場合ステンレスやクロムメッキが用いられ、変化しないように造られますが、まさにその逆ですね。
クラシカルでもあり、アンティークの極致だと思いました。

海沿いの大聖堂前が終点。市電を降りて、思わず手でナデナデの絵(笑)
ホントに愛らしい市電でした。ライトが一つ目なのもたまらないですね・・・。
この後、パンタグラフを手動で反対側にパタンと倒して、折り返し運転をしていきました。
どこまでアナログなんだ!最高過ぎる!!

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植栽の打合せ

2023-05-22 22:12:58 | 鎌倉小町の家


「鎌倉小町の家」にて、植栽の打合せを行いました。この住宅は裏千家の茶道の稽古場としてもフル稼働しています。
まだ庭ができあがっていないのですが、いよいよ6月から植栽工事が始まります。
前庭、坪庭、主庭・・・いくつかの庭が生活空間を彩ります。一方で、土地の広さには限りがありますから、状況に応じて造園家にアレンジしていただいています。
造園家による庭のデザインプランや資料を見ながら、細かな内容の打合せが進みました。



建て主のKさんから、訪れた方々が、とても落ち着くと言っていかれることをお聞きしました。
グレーがかった壁の色、ほどよい広さや天井の高さなどもそんな落ち着きをもたらしてくれているかと思いますが、やはり主役は、置かれたいくつかの家具なのだろうと思います。
写真に写っているのは名作ソファLC2。ご結婚時に購入されたものだそうで、もう何十年も暮らしと共にあり続けたものです。
あらかじめこのソファを置くことを念頭にリビングの空間を設計しました。
6月には、窓越しにイロハモミジが植わり、その向こうには大きめのソヨゴが、そして左手からは白梅が枝葉を覗かせてくれる予定。
朝から午後にかけて、このソファコーナーでは木漏れ日と樹影が楽しめそうです。
造園家が、オノさんは木漏れ日が好きですからね~と言いながら庭デザインをしてくれました(笑)いやあ、ありがとうございます。

それにしても、使い込まれて黒光りするLC2。かっこいいなあ。


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山中湖の家

2023-05-14 21:06:06 | 山中湖の家


山中湖畔で住宅プロジェクトが始まりました。
現地を訪れるときは、なぜかいつも曇りや雨。でも、その風景がとても心に沁みます(笑)

湖畔にどんと姿を現わす富士山は迫力満点です。晴れた日の眺めもいいでしょうけれど、雲と戯れる富士の姿も日本画のようで美しいのです。
そして雨が降ると、こんなに間近にあるはずの富士山は姿を隠します。
湖畔にすうっと広がる霧。
湖の水分を含んだ地面には鮮やかな苔が広がり、つがいの鴨が水面を進む音がだけが聞こえます。
なんという静寂!



近隣の河口湖に比べても、山中湖は人が少なく静かだとのこと。
住宅のロケーションは湖畔に程近い森の中。
眼前に広がる森を最大限に活かし、建物はシンプルに。
室内に宿る陰影も印象的な空間になりそうです。

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