シンボルツリー

2020-07-25 22:01:56 | 練馬 梅園の家


練馬 梅園の家に、シンボルツリーが植わりました。選ばれた樹種はアオダモの株立ち。幹に縞模様が入っているのが特徴で、落葉した後も、佇まいが美しいのが特徴です。
この家は設計の当初から、シンボルツリーが傍にある2階の窓辺で過ごすことをイメージしていました。
ですから、建物が完成して生活が始まってからも、シンボルツリーが植わるまではまだ完成していないような気がしていたのです。



植木屋さんが選んでくれたアオダモの株立ちは背が高く、2階の窓からも緑がよく見えます。
住宅街の中に建つ2階建ての小住宅ですが、目線の先に緑が見えると、やはりほっと息がつくような癒しの感じがあります。
晴れた日には緑の枝葉の影がゆらめき、雨の日にはしっとりと水玉が光る。
そんな光景をぼんやりと眺める静かな時間。

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月見台

2020-07-17 21:35:45 | 月見台の家


「月見台の家」は、その名の通り風流な名のと土地に建つ家です。
小高い丘の上にある立地からは、昔はきれいに月が眺められたのでしょうか。

この家ができあがったのはもう10年ほど前になります。
家を「暮らしの道具」と見立てて、良い道具がそうであるように、手触り質感がよく、使い勝手がよく、堅牢であることを念頭に、丁寧に設計したものでした。
単純なようでありながら、手に触れるところの素材を変えたり、実はとても細かな設計になっています。
普通の家のようでありながら、使うごとに愛着がわいてくるような感覚を大事にしたかったのです。



最初の写真のドアと、リビングにすっと立つ丸柱は、ピーラーという松の木でできています。
だんだん飴色になっていくのが特徴。
家は、時間が経つごとに良くなっていくもの。
そんな価値観を実践していきたいと思います。




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植栽の打ち合わせ

2020-07-13 22:37:41 | 大磯の家


梅雨の間隙を縫うようにして、大磯の現場では棟上げしました。
大磯の地山を背景にして建つ平屋の家です。
建て主は、雑木の庭を楽しむ暮らしを前提にこの土地を求めました。
ですから計画の当初から雑木の庭と一体的になった家づくりを進めてきました。



造園家にも計画の早い段階から打ち合わせに参加してもらっています。この日は、予算も考慮に入れながらさらにブラッシュアップした計画案のプレゼンをしてもらいました。
踏み石の素材サンプルも並び、イメージが具体化していきます。
見るためだけの庭ではなく、過ごせる庭にすること。
そのためのアイデアが散りばめられていて、とても楽しみなデザインとなっています。
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障子のつくる静けさ

2020-07-09 21:45:00 | 片倉の家


20年ぐらい前だったか、もうずいぶん前のことですが、印象的なテレビCMがありました。
曇天の空から小雪が舞い降りてきて、それを見た男性がいそいそと家路につくところからCMは始まります。
玄関にたどり着き室内に飛びいるや、暗い廊下をどんどん奥へ。
襖をさっと開けると、雪明りに仄明るい一面の障子の姿が現れます。
そっと障子に近寄り、息を呑むようにしてそっと障子を開けると・・・。

当時のパナソニックの高画質テレビのCMだったと思います。
ぼくはその仄明るい障子がつくりだす静けさに、なんだかとても見入りました。

パリでサントシャペル教会の圧巻のステンドグラスを見た時も、脳裏をよぎったのはモノクロームの障子の静謐さでした。
その向こう側にあるものを見えなくし、仄かな音や影だけが室内にそっと入ってくる。
そして同時に、室内にあるものの質感に趣きをもたらしてもくれます。
床板やテーブルの木目が、食器の艶が、料理の湯気が、なにか特別のもののように浮かび上がります。
身近にある、あたりまえのものこそが美しい。
そんなことを気づかせてくれるような気がします。

写真は「片倉の家」より。




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