アトリエの完成

2013-03-15 00:12:24 | 自由が丘の家

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昨年の秋より続いてきた、僕の設計アトリエと住居の工事がついに完成をむかえました。といっても、まだ必要なものをいろいろと準備しなくてはいけないのですが・・・。それでも、最初の家具が空間のなかにはいると、それまでちょっとよそよそしかった床や壁や窓が、とても親密なものに感じられます。

写真の空間は応接室。お施主さんと打合せするのが主な用途、ではあるのですが、毎日打合せがあるわけではありません。ですから、それ以外の時間にも気持ちよく過ごせるような場所にしたいと思ってつくりました。僕やスタッフが図面や作品集を片手に思索にふける場所でもありたいと思います。それから、食事をしたり、コーヒーを飲んだり、そしてその後は昼寝でも・・・って、それはナシですが(笑)、でもそのぐらい居心地のよい場所にしたいと思っていたのです。こじんまりとした部屋ですが、落ち着きもあり、陽の角度によって表情をかえる、変化に富んだ空間になりました。

これから、山梨にいる家具職の方に、この部屋に置くテーブルを制作してもらうことになっています。それがここに置かれたときに、いろいろなものが調和する光景を想像すると、ワクワクしてきます。

自分のアトリエと住居ですから、これからずっとこの空間に付き合っていくことになります。職住一体の日々の暮らしのなかで、どのようなことを感じ取っていくのか(あるいは反省も!?)楽しみでもあります。このブログでも、このアトリエ住居のことを少しずつ丁寧に紹介していければ、と思っています。

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いちばんいい眺め

2013-03-09 22:04:16 | 住宅の仕事

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富士市で計画している住宅の打合せに行った帰り、お施主さんに車で駅まで送ってもらいながら外を眺めると、傾きかけた陽に照らされて富士山がとても美しく見えました。富士山はいったいどの角度からが一番きれいに見えるか。タモリさんが番組の富士市のロケで、この角度からが一番きれいなんだよな~ということを話していたそうです。そこはそれなりにマニアックな場所で(やっぱりタモリさんはよく知ってますね)、きっといろいろな角度から眺めた結果なのでしょうか。

東京に暮らしていると山の気配も感じることがないですが、僕自身が生まれ育った京都でのことを思い返すと、いつも意識のなかに比叡山がありました。富士山とは比べものにならないくらい小さな山ですが、自分の生活圏内からはいつも見ることができ、少し歪んだそのシルエットが僕にとっての比叡山の姿でした。

時は江戸時代、後水尾天皇は、自身の離宮を造営するにあたり、比叡山が最も美しく見える場所を探し歩いたそうです。いったいどのような尺度で「最も美しい」とするかはとても難しいところですね。どこかで聞いたことがあるのですが、後水尾天皇は、一番の場所を探すのではなく、近からず、遠からず、あらずあらず・・・で探し続けて辿り着いたところ、であったそうです。たしかに、ひとつの真理に向かう筋道かもしれません。

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さて、そうしてできあがった場所がここ。京都市北部にある小さなお寺、円通寺。数年前に訪れたこの時は霞がかかっていて、ほんのりと比叡山が見えるぐらいで、写真だと、どこにあるの~といった感じになってしまいました。でも、柱と生垣で縁取られた構図のなかに、一期一会の風景が広がります。何度でも訪れたくなる、人も少ない小さなお寺。オススメです。

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