家のなかにひとつ、「重心のある居場所」というようなものをつくりたいと思います。
いわば、家のなかの特等席のようなところですね。
練馬区の住宅街のなかで建てたこの家では、リビングの一番奥にある出窓ベンチコーナーが、そんな場所です。
道路の向こう側に梅園が望めました。梅園を切り取るようにして、大きな出窓をつくり、座ったり、ものを飾ったりできるベンチが備わっています。
こういう場所があると、なにかここに吸い寄せられるような雰囲気になるから不思議です。
写真はキッチンのなかから見通したところ。
窓の向こうには淡い色の満開の梅。
そんな梅の風情と調和し美しく風景を切り取るように、グレーがかった色の壁は余白を多く、そして窓枠は優しい木の色をそのまま活かしました。
今年の東京の冬は暖かく、梅が早く咲きはじめました。
明日の雪と寒さで、いったん足踏みをするのでしょうか。