八王子で建てている小さな家。真四角の間取りのシンプルな家です。
コストも考慮しながら、必要なだけの広さにとどめながらも、暮らしに必要な収納などは、建物と一体となるようにデザインし、工事で造りました。
家一軒まるごと、大工さんひとりで造る。手順を考えながら黙々と作業をし、そしてついに大工さんの役目が終わりました。
根気よく丁寧に造ってくださる姿には、本当に敬意しかありません。
仕事の終わりにあたりご挨拶をし、丁寧な仕事への感謝の言葉を述べつつ、またいつか別の現場でもお願いしますね、とお伝えしました。
このような良い現場に巡り合えるのは幸せです。
大工さんの仕事が終わり、塗装などの内装の仕事が始まる前の、束の間の静かな現場の時間。あれこれ思案そんな時間を一人で過ごすのが好きです。
塗装の職人さんに、色の塗分けやニュアンスなど、設計の意図を伝え、その通りに仕上がったらどのようになるだろう、としばし現場で想像を巡らせました。
楽しみでもあり、ちょっとした緊張感もあり。
多くの住宅を造ってきたとはいえ、自分が出した結論には、自信を持ちつつも緊張もやはりあります。
優しい暮らしの場となってくれますように。
小さく簡素な佇まいが、きっとそんなふうになるよ、と後押ししてくれているようで、離れがたい心地よさがありました。
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