開花したショクダイオオコンニャクの臭いをかぐ子供=新潟市秋葉区の県立植物園で2022年8月15日、内田帆ノ佳撮影
強烈な臭いの世界最大の「花」咲く 北陸で初 国内23例目
(毎日新聞 2022/8/17 13:00)
「世界最大の花」といわれ、強烈な臭いを漂わせるため「死体花」という呼び名もあるショクダイオオコンニャクが14日、新潟市秋葉区の県立植物園で初開花した。同園によると、国内23例目で北陸地方では初めて。国内最北での開花だという。
ショクダイオオコンニャクは、インドネシア・スマトラ島に自生するサトイモ科の植物。花は最大で高さ3メートル超にもなり、絶滅危惧種に指定されている。
同園の株は2013年、東京大大学院理学系研究科付属植物園(小石川植物園)から寄贈され、今年で生育10年目。14日昼ごろ、大きな花びらに見える「仏炎苞(ぶつえんほう)」が突如開き始め、夜には中心部分の「付属体」が約37度まで発熱し、腐肉臭を放った。強烈な臭いを拡散させるのは、動物の死骸を食べるシデムシをおびき寄せ、花粉を運ぶ役割を担ってもらうためだ。開花から一夜明けた15日に来園した子供たちは顔を近づけ、「お魚の臭いがする」と顔をしかめながら観察していた。 花は高さ約1メートル、直径55センチにまで成長したが、2日間程度で枯れてしまう。同園植物管理課の久原泰雅さん(48)は「栽培が難しく、咲くのは世界でもまれなので(同園で)咲いてくれて本当にうれしい」と話す。温度・湿度管理などで工夫を重ね、熱帯雨林の環境に近づけた。「今度はもっと大きな花を咲かせたい」と言う。 同園では、ウツボカズラやムシトリスミレなどの食虫植物200鉢以上が並ぶ食虫植物展も開催されている。9月19日まで。【内田帆ノ佳】