一関から栗駒山に向かいました。
今日の宿は以前にも泊まったことがある須川温泉。
栗駒山の登山口にはもう一軒、栗駒山荘がありますが古いのは須川温泉の方。
何と言っても、ここの温泉は1100年前の文献にも出てきます。
江戸時代やそれ以前は湯治場として存在していた。
今でも須川温泉には、一般旅館部と湯治場宿泊の2種類が選べます。
むろん湯治場の方が長期滞在が普通なので相当安い。
栗駒山はずっと以前に登ったことがあるが、もういちど天気の良い日に登りたかった。
3年前にも須川温泉に宿泊して翌日登ろうとしたが、天候が悪化して断念で再チャレンジです。
この日、峠に着いた時はガスっていましたが、それほど悪くなかった。
正面が一関方面で後ろが秋田、横手方面。
かなり大きな旅館です。
昔はきっと湯治場が賑やかで繁盛していたんだろう。
私の母も50年前からこの旅館を居城にしていたそうです。母は常連さんだったそうで、「私が泊まると帰る時にお礼で時計をもらったんだよ」といばっていた。
部屋の廊下から見たら目の前の、たぶん溶岩ドーム。
昔、この辺で噴火があったんじゃいかな。見るからに物騒な岩です。日本の火山は何時なんどきドコでも噴火してもおかしくないからねー。
鳥居脇が登山道です。
手前は大浴場の屋根。
先の大地震で、この屋根の下の大浴場が壊れたそうです。
どう壊れたのか昔のことなので定かじゃないが、マグニチュード7、2の直下型地震は相当だっただろう。国道の橋が落ちるくらいだから、この旅館もあちこちが大破損だっただろう。この大浴場だけ建て直したと私は聞いている。
須川温泉の泉質はミョウバン&硫黄でブルーグリーンでキレイです。
アルカリ性が強いのでしょう。
硫黄もそうとう入っていて、峠近くまで来て須川温泉が見えると硫黄独特の匂いがします。
まるでバスクリーンを入れたみたい。
屋内の大浴場は熱くて私のような都会人には入れません。
何を考えているのか、、、と怒りたくなるようなお湯の熱さでした。
でも、この露天風呂は外気で冷やされて丁度良い温度だった。
だから、私は屋内の内湯や大浴場よりこちらの露天風呂をお勧めします。
大浴場のあの熱さは気が狂っているとしか思えない。
あれが湯治なのか???
まーーーこんなひなびた温泉が嫌いな人もいるだろうが、、、私は気になりません。
露天風呂から流れ出るお湯は緑色の川となっています。
キレイでしょ。
すごく硫黄の匂いがします。
露天風呂の先に鳥居があって、その脇を栗駒山への登山道が始まります。
ここの温泉の噴出量は毎分6000リットルと膨大だそうだ。
温泉を導いているゴムホースがなんとかならないのーーーと思いますが、田舎なんで気にしないのだろう。このホースで峠にもう一軒ある栗駒山荘へ温泉を引いているのかもしれない。栗駒山荘の方がキレイでいいホテルだよ、、、と人から聞いていたが、何だか私らには古びて味のある須川温泉の方が似合うようだ。
不気味な夕暮れでした。
案の定、翌日は凄まじい豪雨だった。
国道が通行止になる前に峠を降りようと車を走らせてたら、山側から怒涛のような滝が道に落ちていた。きっと、数時間したら滝の水量が数倍になって通れなくなっただろう。あれだけ水が出ると、石や岩がゴロゴロ道路に散らばり、水流で舗装が削られるかもしれない。
さっさと下山しました。
須川温泉の旅館案内もしなきゃねー。
お食事は普通ですねー。
The旅館のお食事って感じかな。
でも、食べられないようなものはないから、良心的なお料理といえよう。
この写真は朝食ビュッフェです。
和食と洋食がありました。
うーん満足満足!
おっと、夕食には地ビールがいいですね。
岩手蔵ビールはラガーじゃないよ、Weizen(ヴァイツェン)製法だそう。
栗駒山を挟んで一関はお餅文化で、峠を越えて横手のほうに行くと稲庭うどんがあります。
稲庭うどんは、TVチャンピオンで四国の讃岐うどんを打ち負かして優勝したもの。
須川温泉の売店で売っていたものは、うどんを乾麺にするときに吊るして曲がったところを売っていました。
何年か前に、稲庭うどんを日本に知らしめた佐藤養助商店でうどんを食べたが、うどんがこんなに高貴な物かとビックリしたしだい。
佐藤養助商店 http://www.sato-yoske.co.jp/home.html
うどんは讃岐うどんにしても、おいちゃんが家族で経営しているイメージだけど、佐藤養助商店はもっと大規模な会社組織です。
腰のあるつるんとした讃岐うどんに対して、稲庭はうどんは乾麺でソーメンに近い食感。
こちらは一関というか東北は南部せんべいコーナー。
けっこう、東北には名物が多い。
須川温泉の湯治客用の自炊棟散策をしました。
自炊棟というだけあって冷蔵庫やキッチンがあって、廊下のはずれには洗濯機コーナーがあった。
宿泊料金もだいぶ安くなっている。
一般客が15000円のところ、宿泊日数で料金が違うが激安。
1泊目5500円、2泊目4500円、3泊目3500円です。
湯治だから治療なんですよー。
聞いたところでは、湯治は農家さんなどが農業の閑散期に、おもに秋冬とかに長期休暇に骨休めに利用するもの。
須川温泉は大浴場と露天風呂のほかにも、小さな内風呂があるけど、、、そこに書いてある注意書きには、「この湯は熱めに設定しています」と。大浴場でも私は熱くて入れなかったのに、熱めに設定している内風呂など、足の指さえ入れられないと思う。
どんな爺さまが入るんだろう。
もう皮膚感覚がない人じゃないか?
大浴場でも、私は熱くて入れなかったのに、、、首までどっぷり、あの熱い熱い湯に入っている人がいたのです!
あれは、感覚がマヒしているんじゃないだろかーーー。
もしかして、ゆであがっていても、自覚症状がないんじゃなかろうか?
危険だ!
以前、TVで年齢によって暑さの感覚チェックがあった。
若い人ほど暑さに敏感で汗も出ますが、年をとるにしたがい暑さに対する感覚が鈍ってくるようです。それで年寄りは暑くないと思っていて、汗もかかずに急に熱中症でバタンと倒れるそうです。
それを考えると、、、熱い温泉に入る老人だって、、、相当危ないんじゃないかな。
今年も天気が悪くて栗駒山に登れなかった。
栗駒山はまた次回に持ち越しです。