音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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◆ショパンの指使い ~ ため息は「3」の指で・・・

2007年12月18日 | ショパン Frederic Chopin
ピアノの詩人ショパンの
《ノクターン第13番 op.48-1 c-mollハ短調》
を思い浮かべながら、ふと思い出したのでした。


あぁ、
ショパンのため息。




楽譜に記される右手の指使い
「3 3 3」
はショパンによるものであることは、
この数字が「斜め字」になって記載されていることから分かります。
(Ekier版Wiener Urtext)

ショパン自身が、
そう演奏することを望んだのです、すなわち
ショパン自身もきっとそう演奏したのだろうと。



「3 3 3」


右手中指の持つ特徴、
5本の指のなかの真ん中のもの、
安定感、柔らかさ・・・
言葉にするとなかなか難しいものですが、
この《ノクターン》の冒頭は、
「3」という指の性質を存分に発揮された
ピアニスティックな要素と音楽的要素の両者が
見事に合わさっている、素晴らしい例と
いえるでしょうか。

ショパンが多くの《ノクターン》に記した指使いは、
(ショパンの指使いであることが分かるような
版で無ければなりませんが
=Ekier版は、これを誠実に現しています)
ピアノという楽器の「歌い」を存分に習得できる
素晴らしい情報を一杯含んでいるものと
自分は考えています。



「3 3 3」
「・・・Ah・・・Ah・・・Ah~~~~~」


という歌が聴こえてくるかのようではありませんか?




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