ベートーヴェン《ピアノソナタ3番、第4楽章》
前回の《3楽章》の解析が2020年10月末・・・それから
3ヶ月以上の時間がかかってしまっての今回・・・
実に苦労を重ね、ここまでたどり着きました・・・
若いベートーヴェン25歳を相手にするのは大変!!(笑)
いやはや、笑い事ではなく、
特にこの《4楽章》は、
和音連打に始まり、とても速い十六分音符のパッセージと、
ベートーヴェン自身の「ピアノ演奏の上手さを誇示する」かのような!?
意気込みが感じられる楽曲と見受けられるのです・・・
(それがまた魅力であり面白いところ♪)
交響曲的な規模を持つ初期の《ピアノソナタ》達、
全部で3つセットの《作品2》の最後をこちらに、
がんばって収録してみました。
解析の内容としましては、
新ベーレンライター版を使用することで、
今までになかったアーティキュレーションの数々に戸惑わされ!?
しかし結果としてこの音楽における
【スタッカートとレガートの弁証法】という新解釈に至った!?
ように、なっていると思われます♪
お読み・ご覧いただけましたら幸いです♪
【楽曲解説・和声分析】 ベートーヴェン《ピアノソナタ第3番 C-Durハ長調 op.2-3》 〈第4楽章 Allegro assai〉
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
↓ 時間をクリックすると表題毎にスキップできます
0:00~ ベートーヴェン《ピアノソナタ第3番 C-Durハ長調 op.2-3》〈第4楽章 Allegro assai〉
1:03~ ピアノ内部(ダンパー)を狙ったカメラ映像が右上に。ペダル使用の有無をご覧いただけます。
2:04~ ベートーヴェンのピアノ曲を弾くにあたってのペダルの問題、「しっかりふんだんに使う?」or「なるべく使わないで指で表現?」
3:22~ 使用楽譜「ベーレンライター版(2019年に全集が発売)」、スタッカートの有無がセンセーショナル!?
5:06~ 他の原典版「ウィーン原典版」「ヘンレ版」「ペータース版(C.アラウ校定)」との比較
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
6:34~ 1小節~、25歳の若いベートーヴェンが自分のピアノの上手さを誇示するような難しさ!?
7:17~ 1,2小節、連打上行の和音の連続、練習に有効なお薦めは、ハノン《48番(6度の練習》《51番「オクターヴで音階をひくための練習」》《53番「オクターヴの音階」》等
8:21~ 1,5,10小節等、左手の四分音符の長さ(音価)に気を付ける
9:15~ 4小節①拍目はスタッカート、長く伸ばさない
9:58~ 8小節①拍目、ベーレンライター版において、右手のスタッカートは括弧!?、いずれにしろ、八分休符の「ま」は聴こえるべき、ペダルは不使用
11:50~ 22小節~、ベーレンライター版において、スタッカート無し
13:26~ 22小節、Re♯ によりホ短調e-mollに転調して〔半終止〕、24小節の最後はDo# によりニ長調D-Durの〔半終止〕
14:36~ 25小節~、結局は、この曲の主調であるC-Durの属調G-Durト長調に転調
15:24~ 23小節、オクターヴのレガートのためには【ペダルは不可欠】
16:41~ 28小節の右手、25小節の左手にスタッカート無し!?(自筆譜は紛失、初版が原典資料)
18:42~ 30小節~、形式的に〔B〕の部分は属調G-Dur(第2テーマのよう)、この楽章は〔ロンド・ソナタ形式〕
20:17~ 【II,IV,VI和声解析法】、右手Doの音の「第IV音」に盛り上がり
21:09~ 29小節~、左手の十六分音符の速い伴奏は、音程に注意することで弾き易くなる
22:16~ 35小節、sfスフォルツァートが書いてない〔全終止〕で落ち着く(左手)
23:46~ 36小節、【II,IV,VI和声解析法】へ盛り上がり、37小節からは〔カデンツ〕で落ち着き、右手は〔半終止〕、左手は〔全終止〕
25:21~ 43小節、2フレーズ目に突如g-mollト短調、〔再現部〕229小節においては1フレーズ目にすぐさま短調、微妙な差が作曲音楽の面白いところ
28:39~ 47小節、La♭ はト短調における〔ナポリ〕、そのままヘ短調f-mollに転調?、その後、d-mollを経て再びg-mollへ戻る?
30:46~ 49小節~、ハ短調c-moll、拍頭の音をみていくと音楽性が分かる
31:18~ 52小節は〔ドミナント〕、53小節でいきなりfフォルテ(再現部にてこれは無し)、クレッシェンドする?〔ドミナント〕はあやしげ?
33:15~ 54小節、La♭とFa# の音程は増6度、〔ジャーマン・シックス〕という特殊な〔ドッペルドミナント〕でインパクトあり
34:39~ 57小節、sf、sf、fp
35:06~ 63小節、ハ長調の〔半終止〕にきこえるけど、音階は明るいト長調
35:58~ 67小節、Fa♮のppピアニシモをもってハ長調に戻る
36:50~ 69小節、主旋律が戻るところは、杓子定規に無理にppではなくていい!?
38:27~ 75小節、ベーレンライター版においてのみ、スタッカート無し、レガートの音楽!?★ この差がベートーヴェンのユーモア!?
42:05~ 77小節~、左手のオクターヴ音階は、スタッカートが無いとはいえペダル使用が不可能なので、ノン・レガート
43:08~ 81小節、Do# が現れることでニ短調d-moll、しかし79小節はC-Durの〔II度の和音〕として盛り上がり
45:18~ 81小節、ffと思いきや、83小節は急にp、Re♯ でホ短調e-mollへ転調して〔全終止〕で落ち着く、転調なのかそうでないのかに依って最後の音の処理が変わる
47:11~ 89小節、Sol♯ はイ短調a-mollの導音、91小節Do♯ はニ短調d-mollへの転調、94小節Sol♯ により再びイ短調
48:35~ 87小節~、①②拍目の左手の八分音符の長さのためにペダルが必要、(93,95小節は不必要)
51:12~ 95小節、イ短調の一瞬の〔カデンツ〕
51:51~ 97小節、左手に〔10度〕の音程
52:36~ 101小節、Si♭によりヘ長調F-Dur、〔C〕の部分、真の中間部、その前は短調だらけの転調の混沌!?
54:54~ 97小節、II,IV,VIの盛り上がりつつも、99小節~〔全終止〕の落ち着きあり
56:26~ C.チェルニー著『ベートーヴェン全ピアノ作品の正しい奏法』参照
57:55~ ヒント有り、「120小節からレガーティッシモでカンタービレ、高音の旋律を響かせて」
59:37~ 103小節~、2小節毎のスラー
1:00:24~ 113小節~、ベーレンライター版において、スラー無し、長い盛り上がりが可能!?、2小節毎のスラーだと大きな盛り上がりが出来ない!?
1:05:25~ 119小節~、チェルニー曰く「sfがつぎつぎと力強く」
1:06:06~ 123小節~、①拍目のBass低音その後、sf無し、135小節~も同様
1:08:03~ 124小節、スタッカート無し!? わざとレガート!? 微妙な違いを施しながら音楽が進む作曲
1:11:15~ 147小節、ヘ短調f-mollへ転調、だけど148小節中にヘ短調の〔Iの和音〕=変イ長調As-Durの〔VIの和音〕として盛り上がり、152小節も然り、ハ短調c-mollへ転調
1:14:58~ 158小節、スラーでヘ短調に転調、160小節はまたハ短調
1:15:20~ 163小節~、低音Bassの保続音Sol、〔Orgelpunkt〕、中間部の終わりの予感
1:17:18~ 171小節、左手にffp、右手はスタッカート無し!?
1:19:45~ 175小節、タイ無し!? Bassを弾き直す!?
1:20:20~ 179小節、最後の音Doのみ、スタッカート無し!? 主音を強調!?
1:22:19~ 181小節~、〔再現部〕、187小節(191,195も)の和音はレガート
1:25:27~ 209小節~、全部スタッカート
1:25:37~ 218小節~、主調で現れる〔第2テーマ〕、【弁証法的】な形式表現
1:27:31~ 232小節~、Es-Durはc-mollの〔平行調〕
1:28:39~ 237小節、右手に〔12度〕という届かない音程、しかし〔全終止〕なのでペダルは無しでもいい?
1:30:14~ 243小節、fフォルテ無し、静かなまま。「2度同じことはしない」「2度おなじことをする」!?
1:31:08~ 静かなままだと、260小節の左手メロディのffが活きる
1:32:31~ 261,265小節はスタッカート、263,267小節はレガート!?【スタッカートとレガートの弁証法】という新解釈
1:34:39~ 269小節~、黒鍵の場所に注意、273小節~はポジションに注意
1:36:01~ 281小節、ffの和音にペダルが不可欠、279,280も豊かな響きのためにペダルあり
1:37:04~ 287小節~、スタッカート無しのレガート(アンチテーゼ)!? 283小節スタッカート(テーゼ)との対比!?弁証法!?
1:38:55~ 第I楽章、第III楽章においても同様
1:41:30~ 289小節~、長いtrは上の音から(アラウの指使い参照)、するとtr最後の音で〔ドミナント〕の〔半終止〕が表現できる
1:44:47~ 295小節、Re# によりイ長調A-Durへ転調、302小節はイ短調a-moll、304小節はハ長調C-Durの〔ドミナント〕
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
1:47:21~ スタッカート or レガートの新解釈、試験やコンクールで弾く際はご用心下さい…
1:48:22~ 新しい楽譜を通して、【考える】ことが、演奏の充実さを増し、【芸術】的価値を有するかも、過去の巨匠芸術家達の創作過程然り、レオナルド・ダ・ヴィンチ等
1:52:26~ Skyapeオンラインレッスン承っております♪ 下記メールアドレスよりお問合せ下さいませ。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー