ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

ナポリタン

2007年03月18日 | 食べ物


最近、無性に正統派「ナポリタン」を食べたくなる。
本格的イタリアンではなく、大衆洋食屋で発展したあ
の「ナポリタン」だ。
ところが、今や、そういう「ナポリタン」を出すとこ
ろが殆ど見当たらない。
すでに、絶滅危惧種のお仲間入りか。
そんな話をカフェのT君にする。

「そう言えば、確かにないですね」(T君)
「そもそも、洋食屋というものがなくなってきたから
ね」(私)
「町の洋食屋は、ファミリーレストランが出来ると共
に消滅ですからね」(T君)
「それと共にナポリタンも」(私)
「僕もたまに食べたくなりますよ」(T君)
「でしょう?」(私)
「あのケチャップ味の」(T君)
「そう、ちょっとべちゃべちゃした」(私)
「バターで玉ねぎを炒め」(T君)
「むしろ、マーガリンだよ」(私)
「そこにハム」(T君)
「それも、プレスハムね、或いは赤いウインナー、絶対
粗挽きじゃなくて、赤いやつね」(私)
「安っぽさが良いんですよね」(T君)
「そして湯で上げではないスパゲティ、ここもポイン
トだね」(私)
「湯で置きスパゲティですね」(T君)
「そう、アルデンテなんてもってのほかだよね」(私)
「どこかないですかね」(T君)
「そう言えば昔は、純喫茶というところでも出していた
ね」(私)
「何が純だか分からないと言うあの純喫茶」(T君)
「白鳥なんて名前が多かった」(私)
「なくなりましたね、正統派純喫茶も」(T君)
「暗めで、ソファー、ゆったり出来る空間ではあった」
(私)
「入り口も暗くて、中々入り辛いのも特徴ですよね」
(T君)
「常連が、煮出し珈琲とともに長々スポーツ新聞を読
むところ」(私)
「それと、競馬の予想」(T君)

ナポリタンから純喫茶、どちらも郷愁の世界だ。
懐かしいという感情は、年とともに確かに増すもので
ある。
今、世の中には、「懐かし親父が」が蔓延しているら
しい。

「それはちょっとあれだよね」(私)
「あまりどっぷりは」(T君)
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