「ヒメギフチョウ」でも飛んでいるかと思い、カタクリ
の群生地に(<カタクリにヒメギフチョウ>というのは、
<梅に鶯>に匹敵する決まりものとして、蝶の世界で
は常識とされている)赴くが、そのカタクリはまだ葉
が一枚地面から顔を出しているという程度。
花どころではない。
最盛期には、まだ十日はかかるのではないか。
そこで、周辺の如何にも里山的なところを歩くが、他
の蝶もあまり飛んでない。
新しいデジカメを、蝶で実践したいのに、その対象と
なるものがいないのでは話にならない。
漸く1頭の「キタテハ」が見つかったが、全然近づけな
い。
こんな普通の蝶でも、初撮りとなると、その価値が増
す。
直ぐ、飛び立ってしまう。
仕方無しに18倍ズームのお世話になるが、角度が悪
く、結果ピント合わず。
他の、もっと普通の「モンキチョウ」すら止まらない
ので、結局、あきらめる。
場所を変え、諏訪湖を見下ろすところに移動。
気温も高く天気は良いが、ここにも殆どいない。
時期が早いのか。
しょうがない、昼飯だ、ということで直ぐ近くの蕎麦
屋にいくことにした。
この蕎麦屋は、兎に角場所が良い。
ガラス張りの店内から、諏訪盆地が一望できるのだ。
観光客にとっては、大喜び。
よって、客層は観光客およびそれに付随する人たちと
いうことになる。
こちらは観光客でもないので、そういう景色は魅力の
うちではないから、来ることは滅多にない。
蕎麦だったら「更級」で食しているので。
しかし、今回の状況だと(シーズンではなく昼の時間
帯にこの辺にいるという)利用しようかという気にな
る。
元々個人的な評価は、味よりは景色という店なので。
平日の昼、しかもシーズンではないので、混雑はして
いない。
客層は、観光客、出張できたサラリーマン、と彼らを
連れてきた地元の社員風のグループ。
ざる(ここには盛が無い)を二枚注文。
蕎麦粉は所謂せいろに相当するもの。
それが、一枚ずつ運ばれてくる。
そういうところは気遣っているようだ。
つゆは、「更科」に比べると甘め。
最近蕎麦は、全て「更級」が基準となっている。
一枚目のざるは、合格点が7とすると、6.5点。
見るからに、切り方が不揃いで、こしもやや弱く
しゃきっとしていない。
不味くは無いが、6.5点。
そして二枚目。
これは7.3点。
何故点数が違うかというと、明らかにものが違ってい
たからだ。
二枚目は、同じ細さに切られていて、こしもあり完全
に別物であった。
一枚目より細い分、水切りが悪くちょっとびちょびちょ
であったが。
こういうところが蕎麦の面白いところだ。
今回の蕎麦は、打ち手が違っていたのかと思うくらいの
差だったが(実際そうかもしれない)、同じ店でも、一
つとして同じものが無いという蕎麦の難しさ、奥深さ
を感じた春の昼下がりであった(なんてね)。