地元の主婦の間で評判の店(食べ物や)というので、良
いと思った店というのは、思い出してみても皆無に近
いのではないか。
何故こういうことになるのかというと、それは基準が
違うからだ。
評価する点が違えば、結果は当然違う。
厳密に言えば、人それぞれなのだが、あるグループで
みればおおよその基準ができる。
主婦グループ、学生グループ、親父グループ、それぞ
れの傾向がある。
タクシーの運ちゃんに人気だとか、芸能人に人気だと
かいうのも、そういうことだと思う。
で、主婦の店の評価基準が何かというと、味というよ
り安さ(しょうがないとも思うが)そして店の雰囲気
だ。
基本的に味は、ファミリーレストラン程度でよい。
それよりは、店の人のサービス、態度を含めた雰囲気
、そして料理の見栄え演出だ。
兎に角、そういうものにやたらとうるさい。
自分達の態度はどうなのかということは、一切考えな
い。
そういえば、食べ物ブログをやってる人間も、同じよ
うな傾向が見られる。
店の人間の態度が悪いとか、そんなことが多くて、肝
心の味については、単なる印象を述べるだけというブ
ログが殆どだ。
味についての基準が見えないのが九割。
要するに、殆どはあてにならないのだ。
「食べ物ブログ」についてではなく、主婦の話だった。
そんな主婦代表と話したのだが、一応こちらにお勧め
の店などを聞いてくる。
しかし、個人的に気に入っている店をそのまま勧めて
も全く気に入らない可能性がある。
過去に何度か経験しているが、大体がその店の良さが
感知できないことによる結果だった。
要するに、差が分からないのだ。
だから、その相手の好みとか、どの程度知っているの
か、そしてこれが一番重要なのだが、そういう味覚セ
ンスがあるのかどうかを判断しなくてはならない(勝
手に個人的に判断するわけだが)。
そして、相手に合わせて店を選ぶことになる。
センス無さそうな人には、よく雑誌なんかに出てくる
一般的な人気店を適当に勧める(ということは、それ
らの店を個人的には気に入ってないということになる
が、その通り)。
今回の主婦は、一般的な主婦よりはいろいろ知ってそ
うでしかも自分達の傾向が、ちょっと情報に弱い(例
えばこだわりの食材を使っているとかの)ことを知っ
ている。
考えようによっては、それだけ相対化できているわけ
だから、普通レベルではないともいえる。
それで、いくつか(そうはないのだが)、注釈付きで勧
めた。
すると、その注釈があまりに多く、もっと簡単に言っ
てくれないかと要求されてしまった。
講釈ではなく、注釈なのだが、厳密に言おうと思うと、
やたらと「注」が多くなってしまうのだ。
それは、「絶対に美味い」というものが存在しないこ
とによる、無数のケースを想定しての結果なのだ。