映画鑑賞周期に入ったようで、このところ立て続けに観ている。今回は「抜き射ち二挺拳銃」という、ドン.シーゲルのB級西部劇。主演はオーディー.マーフィ。知る人ぞ知るという、B級スターだ。個人的には、ジョン・ウェインなんかよりはるかに身近な存在である。
嘗て中学生の頃、毎日と言っていいほど午後の洋画劇場というようなものを4時頃から田舎のテレビでは放映していた。それを毎日楽しみにしていたのだが、そこで放映する映画の西部劇の主演は、圧倒的にオーディー.マーフィだったのだ。この時間帯にやるものはB級に決まっている(今でもその伝統は、しっかりテレビ東京に受け継がれている)。ひょっとすると、当時この映画も見ているかも知れない。今となっては全く記憶にないが、オーディー.マーフィという名前だけは、しっかりと記憶の中に植えつけられたのだ。
で、この映画だが、同じB級でも監督がドン.シーゲル。他のB級西部劇を今見れば、多分殆どはしょぼいの一言だろうが、この「抜き射ち二挺拳銃」はやはり違っていた。流石B級の帝王(因みにB級の神様はサミュエル.フラー)。相変わらず、歯切れの良い演出で、ありきたりの物語をぐいぐいと見せる。派手なアクションはないが、馬が走っている躍動感だけでこれぞ映画だ、と見る人が見れば感じるのではないか。掘り出し物に当たらないといったばかりだが、この映画は充分それに当たる。久しぶりに見たオーディー.マーフィ、こんな顔だっけ、というくらいに何ともB級スター的顔だったが、それはご愛嬌。この500円シリーズ、やはり侮れない。次はラオール.ウォルシュあたりが狙い目か。そうそう、記録にはないが、酒場のやくざ者あれはリー.マーヴィンだったのではないか。そうだとすると、これがデビュー作?