ピカビア通信

アート、食べ物、音楽、映画、写真などについての雑記。

ベートーヴェン

2010年12月29日 | Weblog

 

 

この時期恒例の、テレビの特番の詰まらなさは、もう末期的だ。暮の風物詩と楽しむことはとっくに出来ないのだが、一体、いつまでこのタレント自身が遊んで喜ぶという安直な番組作りを続けるるつもりなのか。テレビのメルトダウンは、地デジと共に最期を迎える、なんてね。

そんなわけで見るものがなく(単純に見なければいいわけだが)、NHK教育で、スコラ、ベートーヴェンを考える、というようなタイトルがはっきりしないが、そんな番組を見た。坂本龍一、浅田彰、もう一人早稲田の教授が、この7月に京都造形芸術大学で行なった討論形式の講演の模様を番組にしたものだが、これが結構面白く、結果的にはくず番組も役に立った、と思った。

以前は鬱陶しいと思った、きっちり構築していくートーヴェンの作品も、今となるとやはり良いという参加者の話には思わず頷いてしまった、と言いたいところだが、ベートーヴェンのCDなど一枚もなく、殆ど知らないといったほうがいい位の我がベートーヴェン体験では、そこは想像して頷いたというわけだ。しかし、表題「田園」は、元々は「牧歌的な」という程度の題で、多くは後から他の人がタイトルをつけたなど、いろいろ興味深い内容で、ベートーヴェンを大して知らなくても非常に楽しめた。笑ったのは、嘗て鬱陶しいと思っていた世代(ポストモダン世代)、サティー、ブライアン・イーノ好きが敬遠していたベートーヴェンを、今になって良いと思うようになるなんて、という部分だった。サティー、ブライアン・イーノ好きの自分も、ポストモダンの波をもろにかぶってたのか、と苦笑するしかなかった。

ベートーヴェンは聴かないが、交響曲だとマーラーは好きで唯一いろいろ持っているので、次回はマーラーでやって欲しい、などと思った困ったときのNHK教育テレビであった。

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