とうとう暮れに、ストックしていた最後のワインを飲んでしまった。ストックしてたというと、如何にもワインマニアが、何十本という秘蔵ワインを保存していたの世界を想像するかもしれないが、そんな大層なものではなく、一時買った七八本の1970年代80年代のワインがたまたまずっと残っていた結果のストックワインである。最後の一本というのは、1978年の「Clos de Tart」というブルゴーニュの赤である。結果的に三十年近く保存していたということになる。ここまでくるとなかなか飲もうということにならずに今日に至ったわけだが、他がなくなった状況ではこれしかない。唯、すでに飲み頃は過ぎているという指摘は前からあったのでその点は不安であった。
でいよいよ抜栓。コルクの状態があまり良くない。ちょっと不安。案の定途中で崩れて、欠けて残ったコルクにもう一回コルク抜きを入れなおす。沈没は免れ何とか抜けた。一応デカンタージュ。色は古いのでレンガ色になってるが、滓が多く濁ってしまった。香りはまだ強いがちょっと違うと思う匂いが混じってるような混じってないような。飲んでみると酸味が強い。酸化が始まってるようないないような。どうもこの辺りはずっとあまり飲んでいないので自信が今一つ。断言できるのは、決して良い状態ではないということ。しかし、完全におかしくなってるわけでもなく何とか飲める状態ではある。香りの強さはまだ残していて、飲み頃の多分十年位前(この部分適当)だったらさぞ美味かったであろうことを想像させる。買ったときで一本2万(今思うと良く買ったわい)、嗚呼もったいないことをした。