先日、蓼科湖のすぐそばにある「メラナタラジ」とい
うカレー屋に行って来た。
ここはベジタリアンカレーがうりで、本店は東京にあ
り、カレー好きの間ではそれなりに有名であるようだ。
店の名を冠したナタラジカレーを食べたが、これは、
肉の代わりに大豆蛋白を使ったもので、感触はビーフ
シチュウの肉そのもの、味は微かに遠くの方で油揚げ
の香りという、言われないと肉と思ってしまうような
代物。
但し、ゼラチン質とか脂がないのでこくは本物のよう
にはない。
個人的には結構好きだ。
カレーそのものの味も、本場風(多分)のスパイシー
なもので、クミンの香りとかキャラウェイ(多分)の
香りが感じられ、辛味もありいいのではないか。
辛味はリクエストによって調整できるのだが、一回本
場の辛さでやってみたら、あまりの辛さに泣きながら
食べた記憶がある。
勿論味などまったく感じなかった。
全体のこくは、動物性のだしを使わないせいか、少し
ものたりないかもしれない。
反面ヘルシーとも言える。
あと、ナンはかなり旨い部類だと思う。
蓼科店ができたのは2年ほど前だと思うが、当初は通
年営業の予定が、夏(主に8月)と5月の連休以外は
殆ど人がいない蓼科ではやっぱり大変らしく、すぐに
季節営業になったようだ。
昔と比べると蓼科に来る人間も変わり、今は殆どが車
のファミリー客。
以前の、別荘客が長逗留といった小津安二郎がいた頃
の世界は過去のもの、全く風情はなくなった。
しかも今の観光客は、遊興施設、つまりおもちゃがな
いと遊べない。
なにも山に来て遊園地でもないと思うが、彼らにとっ
ては理想的にはディズニーランドがあれば、というこ
となのだろう。
周辺にはまだまだいい散歩コースがある。
しかし、散歩を楽しむにはそれなりの想像力が必要。
つまり、今の人間にはそれが欠如しているということ
なのだ。
今日の作品は、ヒメギフ(蓼科で撮影)を使いたくて
作ったコラージュ。