日航の新しい社長が片岡千恵蔵の息子だったとはびっくり。しかも、元々がパイロットでかなり優秀だったらしい。最近二世タレント(その殆どはしょぼい)が矢鱈と多い中、つい感心してしまった。あまりの大スター(昔はそういうものが成立した)だったので、下手に同じ職業は選べなかったというのはあるかも知れないが、親の名前だけでテレビに出てくる魅力のない役者タレントが多過ぎの状況を苦々しく思ってる人間にとっては、何故かすがすがしさえ覚えた。
で、その片岡千恵蔵だが、今この名前を聞いてピンと来る人も大分少ないと思う。嘗て時代劇大スターと言えばこの片岡千恵蔵と市川右太衛門(息子は北大路欣也でこれは二世でも成功例)が双璧。千恵蔵映画で思い出すのは「血槍富士」や「大菩薩峠」。映画としての出来も良く(右太衛門ではあまり思いつかない)、今でも十分鑑賞に耐えられる。多くの時代劇は昨日の西部劇ではないが、殆どのものはお決まり以上のものはない今見るとしょぼいというしかないものだが、中にはこれはというものもあるのだ。この作品は内田吐夢監督のものだが、他の監督としては三隅研二、加藤泰、森一生などが、優れた時代劇を作っていると思う。